なら・シルクロード博覧会

なら・シルクロード博覧会：古都を彩った国際交流の祭典

1988年4月23日から10月23日まで、奈良県奈良市で開催された「なら・シルクロード博覧会」は、シルクロードをテーマにした壮大な博覧会でした。総合プロデューサーに井上靖を迎え、古都奈良を舞台に、東洋と西洋の文化が交差するシルクロードの世界が繰り広げられました。

博覧会の概要

博覧会は、平城宮跡会場を中心に、奈良公園周辺にも会場が設けられました。公式マスコットは、鹿の「ナナちゃん」とラクダの「ララちゃん」。愛らしいキャラクターは子供たちに大人気でした。

総入場者数は682万人に達し、奈良県だけでなく、日本全国、そして世界中から多くの人々が訪れました。博覧会は、シルクロードの歴史や文化に触れる貴重な機会となり、国際交流を促進する役割も果たしました。

各会場の魅力

各会場では、様々なテーマに基づいた展示やイベントが開催されました。

浮雲エリア：メインゲート、春日野会場などがあり、イベントステージやパビリオンが立ち並びました。中国古代科学館やキリンパビリオンなど、各企業のパビリオンも人気を集めました。
飛火野会場：タクラマカン砂漠を再現した「タクラマ館」では、砂漠の酷暑を体感できるユニークな展示が行われました。井上靖・シルクロードの足跡館では、井上靖の業績やシルクロードへの思いを紹介しました。
平城宮跡会場：広大な平城宮跡を活かした会場構成で、歴史を感じさせる空間でした。
登大路会場：テーマ館「シルクロードなら館」を中心に、奈良国立博物館や奈良県立美術館で「シルクロード大文明展」が開催されました。

会場へのアクセス

博覧会期間中は、会場周辺の交通機関も充実していました。

シャトルバス：駐車場から登大路バスターミナルまで、奈良交通のシャトルバスが運行されました。このバスは、博覧会のために特別に改造されたもので、車体後部にデッキが設置されていました。
鉄道：近鉄京都線では臨時の快速急行が運行され、JR大和路線では新大阪発着の快速が運行されました。JR東海は、東海道新幹線と近鉄の割引往復券を発売し、中京地区からのアクセスを向上させました。

博覧会のテーマ曲

博覧会のイメージソング「夢・浪漫・NARA」は、島倉千代子が歌い、博覧会を盛り上げました。姫神が作曲した美しいメロディーは、多くの人々の心に残り、博覧会の思い出を彩りました。

博覧会の遺産

博覧会は閉幕しましたが、その遺産は今も奈良に残っています。奈良公園シルクロード交流館では、シルクロードの歴史や文化、奈良との関係を紹介する展示が行われています。

「なら・シルクロード博覧会」は、奈良の歴史と文化を世界に発信するだけでなく、国際交流を促進する上で大きな役割を果たしました。博覧会を通じて育まれた国際的な友好関係は、今もなお、奈良の国際交流を支える力となっています。

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