なんでもいただき

『なんでもいただき』(1953)：陽気なクマの災難と、腹ペコな悪党の知恵比べ

1953年1月31日、[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]より公開されたアニメーション作品『なんでもいただき』(原題: BARNEY'S HUNGRY COUNSINS)は、ディック・ランディー監督による、コミカルでスリリングな短編アニメーションです。

この作品は、のどかな国立公園を舞台に、ピクニックを楽しむクマのバーニーとその昼食を狙う、ずる賢い野生のクマとの攻防を描いています。バーニーは、自然豊かな場所でゆっくりと昼食をとろうと、バスケットいっぱいのご馳走を用意してピクニックにやってきました。しかし、彼には想像もつかない出来事が待ち受けていたのです。

なんと、野生のクマはバーニーの到着を待ち構えており、無料休憩所まで準備して「クマにエサを与えるべからず」という看板まで撤去する念の入れよう。完全なる待ち伏せ状態です。バーニーは、この野生のクマの罠にはまってしまいます。

バスケットからサンドイッチを取り出すと、あっという間に目の前から消えてしまうのです。次々と料理が盗まれていく中、バーニーはついに逃げ出しますが、腹ペコのクマはしつこく追いかけ回し、暴力的なまでに執拗に襲いかかります。しかし、バーニーの必死の抵抗により、こっぴどくやられてしまうのは、追いかけてきたクマの方でした。

食事らしい食事は何も口にできず、昼食は全て野生のクマに奪われてしまいます。最後に残った小さなサンドイッチを、バーニーは諦めてクマに与えます。すると、そのクマはなんと、事前に撤去した看板を元の場所に戻し、「このクマに食べ物を与えた」と通報。バーニーは森林警備隊に逮捕され、護送車に乗せられてしまいます。

護送車の中で、バーニーはこっそり隠していたキャンディーを食べようとしますが、またしても横から手が伸びてキャンディーは奪われてしまいます。なんと、護送車を運転していたのは、先ほどの腹ペコな野生クマだったのです！まさに「なんでもいただき」という結末を迎えることになります。

主要キャラクター

クマのバーニー: ピクニックを楽しもうとするも、腹ペコなクマに昼食を奪われ、最後は逮捕されてしまう気の毒な主人公。
野生の腹ペコクマ: バーニーの昼食を奪う狡猾な敵役。巧みな策略と神出鬼没の動きで、バーニーを翻弄します。原作では、テックス・アヴェリーが声優を務めたとされています。
犬の森林警備隊員: クマからの通報を受けてバーニーを逮捕する、ちょっぴり間抜けな警備隊員たち。4名が登場し、最後はクマに護送車を奪われてしまいます。

スタッフ

監督: ディック・ランディー
制作総括: フレッド・クインビー
アニメーション制作: ロバート・ベントレー、ウォルター・クリントン、マイケル・ラー、グラント・シモンズ、レイ・パターソン
背景: ジョン・ディドリック・ジョンセン
音楽: スコット・ブラッドリー

日本での放映

日本では、TBS系列で放映された『トムとジェリー』の短編として、テックス・アヴェリー作品などと共に放送されていました。

関連事項

ディック・ランディー、クマのバーニー、トムとジェリー、クマ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー

『なんでもいただき』は、予測不能な展開とコミカルな演出で、老若男女問わず楽しめる、まさに名作アニメーションと言えるでしょう。一度ご覧になることをお勧めします。

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