にこまる

にこまるの概要

「にこまる」は、日本のイネの品種および銘柄であり、その名は「笑顔がこぼれるほど美味しい」という意味を込めて付けられています。この品種は、特に丸みを帯びた粒の美しさを強調しており、米としての価値も高いです。

品種の開発背景

にこまるは、急激に高温になる環境下でもその品質が維持できるイネの品種を求めて開発されました。特に、「ヒノヒカリ」という品種の代替を目指し、低温での栽培が難しい熱帯や亜熱帯地域に適した品種として育成されました。

この品種は温暖な地域での栽培に最適であり、高温の条件下でも品質低下が少なく、多くの収穫が可能です。また、「ヒノヒカリ」と同程度、またはそれ以上の食味を持つとされ、多収であるため、現代の需要に応える品種として広まりました。

特長と食味

にこまるは、いもち病に対しては「ヒノヒカリ」と同等の抵抗性を持っていますが、耐倒伏性においてはやや優れています。また、高温年でも白未成熟の米粒が少なく、収穫後の玄米は特に粒張りが良好です。そのため、炊飯後は弾力があり、粘り気とうまみ、甘みが引き立ちます。

食味分析では「コシヒカリ」と比較され、「にこまる」は豊かなコクと甘みがあり、様々な料理に合いやすい特性を持っています。特に、粒感がしっかりしているため、炊き込みご飯や丼物、寿司などに最適です。

産地の浸透

2002年には長崎県で奨励品種として認定され、その後高知県や愛媛県でも導入されるようになりました。愛媛県では2013年に広く普及を始め、特にイメージキャラクターの「みきゃん」を用いたパッケージとテレビCMがその人気を後押ししています。

育成プロセス

• - 1996年: 農研機構にて「きぬむすめ」と「北陸174号」を交配し、にこまるの基礎が始まりました。
• - 2002年: 「西海250号」という名前で奨励品種の調査を開始し、1月に長崎県で奨励品種に決定され、9月には「にこまる」と命名されました。
• - 2006年: 本格的な生産が長崎県で開始され、「ながさきにこまる」という名称のキャラクターが選定され、さらにその後新商品の発売がなされました。

食味の評価

2009年からは、毎年開催される米・食味分析鑑定コンクールにおいて連続して高評価を得ています。特に、特A評価を受けるなど、その品質の高さを証明しています。これにより、にこまるの名声は全国に広がり、多くの米市場で重宝されています。

まとめ

にこまるは、日本の高温地方に適した中生種のイネであり、安定した品質と良好な食味特性を持ち、炊き込みご飯や寿司など、多様な料理に利用されています。天候に左右されることなく良好な品質を維持できるこの品種は、今後の日本の食文化においてますます重要な役割を果たすことでしょう。

もう一度検索