にっぽん診断・NISSANなるほどステーション

にっぽん診断 日産なるほどステーション

「にっぽん診断 日産なるほどステーション」は、1980年10月から1986年3月までの期間、TBSラジオをキー局として全国に放送されたラジオの帯番組です。日産自動車の一社提供枠で、平日夕方の時間帯に約10分間放送されていました。放送開始当初は午後3時35分からの放送でしたが、1983年4月からは午後3時30分に繰り上げられました。

この番組の大きな特徴は、当時の社会情勢や季節ごとの風物詩といった多様なテーマに基づき、街頭で人々から直接意見を聞くアンケート調査を実施していた点です。パーソナリティを務めたのは、タレントの五木田武信氏でした。五木田氏は、集計されたアンケートの結果を分かりやすくリスナーに伝えるとともに、その結果を受けての様々な見解や分析を、各界の著名人や有識者からのコメントを交えながら紹介しました。番組に登場する著名人としては、文化コメンテーターのフランソワーズ・モレシャン氏や、競馬評論家・作家の寺内大吉氏などが頻繁にコメントを寄せていました。

番組のタイトルは、放送期間中に一度変更されています。1985年4月からは、冒頭の「にっぽん診断」が省略され、「NISSANなるほどステーション」として最終回まで放送が続けられました。

ネット局はJRN系列を中心に広がっていましたが、中には系列を超えて放送された局もありました。特に大阪地区では朝日放送（ABCラジオ）、そして当時NRN単独系列だった西日本放送（RNCラジオ）でも放送されていたことは特筆されます。各局で放送時間は異なる場合がありましたが、全国各地のリスナーが日産提供のこの情報番組を楽しんでいました。

「日産なるほどステーション」は、TBSラジオの平日夕方の同じ時間帯で長年にわたり続いた日産自動車提供の帯番組シリーズの一環として位置づけられます。前番組としては、野沢那智氏や堺正章氏がパーソナリティを務めた「日産おもしろ文庫」（1979年10月～1980年9月）がありました。番組終了後もこの枠は引き継がれ、後番組として「日産歌めぐり日本列島」（1986年4月～1987年9月）、山口良一氏の「日産・言葉のおもしろ事典」（1987年10月～1989年3月）、タケロー氏の「タケローのNISSANハートフルにっぽん」（1989年4月～1990年3月）などが続きました。

また、タイトルが類似する番組として、ニッポン放送でナイターオフシーズンに放送されていた「NISSANナマ生ステーション」があります。興味深いことに、この番組の最初のシーズン（1980年度）では、「にっぽん診断 日産なるほどステーション」のパーソナリティである五木田武信氏が、両番組を掛け持ちで担当していました。これは、同じスポンサーの日産自動車が提供する番組における一種の連携とも言えるでしょう。

このように、「にっぽん診断 日産なるほどステーション」は、街頭アンケートという手法を用いて当時の人々の意識や世相を反映させ、それを著名人の視点から掘り下げるという、ユニークな形式の情報番組でした。約5年半にわたる放送期間中、多くのリスナーに親しまれ、当時の社会の一端をラジオを通じて伝える役割を果たしました。

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