によど (護衛艦・初代)

海上自衛隊の護衛艦「によど」（ローマ字表記：JDS Niyodo、艦番号：DE-221）は、我が国が1970年代に整備を進めたちくご型護衛艦シリーズの7番艦として誕生しました。

艦名には、四国地方を流れる美しい清流として知られる仁淀川の名が冠せられています。この「仁淀」という艦名は、過去にも用いられる予定があった歴史を持ちます。具体的には、第二次世界大戦中に建造が計画されながらも実現に至らなかった大淀型軽巡洋艦の2番艦として、その名が予定されていました。

本艦の建造計画は、当時の防衛力整備の中期計画である第3次防衛力整備計画に基づき、昭和46年度に計画された警備艦1221号艦として承認されました。

建造は、岡山県玉野市に位置する三井造船玉野事業所において行われました。1972年9月20日に船台にて起工され、船体工事が進められます。翌1973年8月28日には無事進水式を迎え、艤装工事へと移行しました。そして、約半年後の1974年2月8日に竣工、正式に海上自衛隊へと引き渡され、就役に至りました。

就役後、「によど」は直ちに第4護衛隊群に新編された第35護衛隊へと編入されました。この部隊の定係港は青森県の大湊であり、本艦も就役初期は大湊を拠点として活動を展開しました。

その後、本艦の所属部隊と定係港はいくつかの変遷をたどります。

1979年7月5日、所属部隊が横須賀地方隊隷下の第33護衛隊に変更されました。これに伴い、本艦の定係港も北日本から関東地方へと移り、横須賀となりました。

さらに1989年12月12日には、同じ横須賀地方隊内の部隊である第37護衛隊へと編入されました。

1997年3月24日、再び横須賀地方隊の第33護衛隊へと所属が戻りました。横須賀を拠点として、約18年にわたり様々な任務に従事しました。

そして、その年の夏となる1997年7月8日には、今度は佐世保地方隊に所属する第23護衛隊へと編入されることになりました。これにより、定係港も九州地方の佐世保へと移転し、艦艇としての活動の終盤を佐世保で迎えることとなります。

佐世保への転籍から約2年後の1999年6月24日、「によど」は海上自衛隊の艦籍から除かれ、約25年4ヶ月にわたる艦としての歴史に幕を下ろしました。この期間、日本の沿岸防衛や各種訓練において重要な役割を果たしました。

このように、護衛艦「によど」は、ちくご型護衛艦の一員として建造され、大湊、横須賀、佐世保と拠点を移しながら、その生涯を通じて日本の海上防衛の一翼を担いました。

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