ねこきっさ

ととねみぎ氏によって描かれた4コマ漫画作品、『ねこきっさ』は、芳文社の月刊雑誌『まんがタイムきらら』にて、2002年10月号から2011年6月号まで約9年にわたり連載されました。連載終了時、本作は同誌において最も長く続いた作品として知られています。

作品概要

物語は、多種多様なモンスターたちが平和に共存する「魔界」を舞台としています。人間界の田舎から魔界へ移り住んできた、明るく元気いっぱいの猫娘、青葉クゥが主人公です。クゥは、制服姿への憧れから、とある喫茶店「ねこきっさ」で住み込みのアルバイトを始めることを決意します。しかし、彼女を待ち受けていたのは、研修期間中は正規の可愛い制服ではなく、まさかの“給食着”を着て働くという意外な展開でした。店舗で働く非常に個性的なスタッフたちや、常連客たちが巻き起こす、日々の騒がしい出来事や愉快な交流が、楽しく描かれています。

主な登場人物

本作には、魔界の住人である個性豊かなキャラクターたちが多数登場します。ドラマCD版での担当声優の情報も併記します。

ねこきっさ東魔界支店

青葉クゥ（声：釘宮理恵）
本作の主人公で、ねこきっさ東魔界支店の新人フロア担当。元気あふれる15歳（登場時は14歳）の猫娘で、栗色の髪と緑の瞳、大きな猫耳がチャームポイントです。語尾に「っス」とつけるのが口癖。少し不器用なところもありますが、店のスタッフの中では比較的常識的な感覚の持ち主。田舎から出てきて住み込みで働いており、お金への執着が強く、様々な雑務をこなしてお小遣いを稼ぐことも。研修中は給食着姿ですが、南魔界支店での応援勤務最終日に15歳の誕生日を迎え、正規アルバイトに昇格しました。
ミルク＝シルフィード（声：大谷育江）
東魔界支店の新人アルバイトで、注文取りとレジを担当。猫そのものの姿をしています。自称24歳（人間換算で112歳）のベテラン猫。他の猫とは異なり人間語も話せます。クゥとは同期で相部屋。サボり癖があり、常連客であるご老公の頭蓋骨の中で休憩している姿がよく見られます。唯一の喫煙者。サボり癖のため、正規採用されず研修期間のまま給食着で働いています。
鬼瓦マヤ（声：平松晶子）
東魔界支店の副店長兼経理担当で、ドラゴン族。年齢不詳ですが、非常に若作りしており、実年齢は300歳を超えていると噂されます。青いロングヘアに緑色の瞳を持つ、おっとりした美人ですが、強大な力を持っており、店内で暴れるモンスターを軽々と鎮圧するほど。爬虫類のため寒さが苦手で、くしゃみをすると火が出ます。夫である店長の源十朗とはおしどり夫婦です。
鬼瓦源十朗（声：梁田清之）
東魔界支店の店長兼料理長で、鬼族。身長3メートルを超える巨漢ですが、無口で心優しい性格。料理への情熱は人一倍で、料理のことになると周りが見えなくなることも。手先が器用で裁縫も得意。ゴキブリが苦手です。元々は地獄で働いており、現・閻魔大王の先輩にあたります。
ルーシア＝ミレクリス（声：田村ゆかり）
東魔界支店のアルバイトで、ヴァンパイア系の女子高生。テキパキとした性格でクゥの先輩。背中の翼で空を飛べます。小学2年生の頃から体の成長が止まっていることに悩んでいます。赤い食べ物が大好きで、寝床は棺桶。
クリム＝フォウル（声：永田亮子）
東魔界支店のアルバイトで、ワーウルフ。ルーシアの同級生であり幼なじみ。アルバイトの中では古株です。銀髪に眼鏡をかけたプロポーション抜群の美女ですが、大食漢で食べ物に目がない一面も。特にミルクを食材として狙っており、「ミルミル」と呼んでいます。

ねこきっさ南魔界支店

大津ぱく
南魔界支店の正社員で、タコ魔族。人前で緊張すると墨を吐いてしまいます。擬態で人間の子供の姿をしていますが、タコの足が出てきたり、顔にタコの表情が出たりします。実家は竜宮城。店長のスズーレと交際中。
スズーレ＝M＝ポタミヤ
南魔界支店の店長兼料理長で、トリ魔族。鳥頭のため、3歩歩くと記憶を忘れてしまいます。

その他

山岡大海（声：阪脩）
東魔界支店の常連客で、死後20年のスケルトン。近所のヤクザ「山岡組」の組長ですが、店では温厚な「ご老公」として親しまれています。美食家ですが、食べたものはそのまま体外に出てしまいます。頭蓋骨はよくミルクの休憩場所にされています。

舞台

ねこきっさ東魔界支店
本作の中心となる喫茶店。窓ガラスは防弾仕様、食器はマヤやクゥでなければ割れないオリハルコン製。店の入り口にはゾンビーをスケルトンにする魔法陣があり、魔界条例に則っています。物置は古代迷宮を改装した地下ダンジョンになっており、様々な謎のアイテムが保管されています。
* 魔界
近代化が進み、普通の都市となりつつありますが、ファンタジー要素も色濃く残っています。魔王城が役所になっていたり、ドラゴンがバスを動かしていたり、ユニークな種族が様々な職業に就いています。

メディア展開

本作は芳文社より「まんがタイムKRコミックス」として全6巻が刊行されています。また、時野つばき氏によるノベル作品『ねこきっさノベル特選! ランチBOX』（芳文社KR文庫）も発売されました。2005年3月25日には、フロンティアワークスよりドラマCDがリリースされており、主要キャラクターの多くに声優が配役があてられています。

もう一度検索