のぞみ (列車)

のぞみ

「のぞみ」は、東海旅客鉄道（JR東海）と西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行する特別急行列車で、東海道新幹線および山陽新幹線区間での移動において最も高速な列車とされています。1992年に運行を開始し、以来、東京と博多を約4時間50分で結ぶ定期列車として広く利用されています。

概要

「のぞみ」は、1992年3月14日にJR東海によって導入されました。当時、航空機にサービスを奪われていたため、高速で運行する新たな列車として誕生しました。これまでの「ひかり」を超える速さを実現し、東京 - 新大阪間を2時間30分で結ぶことが可能になりました。運行開始時は300系が使用され、その最高速度は270km/hでした。1993年にはJR西日本との共同運行が始まり、山陽新幹線でも「のぞみ」が運転されるようになりました。

「のぞみ」は、東京 - 博多間の1069.1km（営業キロは1174.9km）という日本で最も長い定期旅客列車の運行を誇ります。使用される車両は、新型車両が登場する度に「のぞみ」に充当される特権を持ち、最大速度は300km/hにまで引き上げられました。

停車駅

「のぞみ」は静岡県を除く10の都府県に停車します。また、主要都市を結び、東京都、京都府、大阪府、福岡県の主要駅には必ず停車します。具体的な停車駅には、東京駅、品川駅、新横浜駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅、そして山陽新幹線区間では新神戸駅、岡山駅、広島駅、小倉駅、博多駅などがあります。

列車名の由来

「のぞみ」という名称の選定には歴史的背景があります。初めは「スーパーひかり」との仮称が用いられましたが、内外の意見を集めた結果、阿川佐和子氏が提案した「のぞみ」が決定されました。言葉の由来は大和言葉であり、希望を象徴する言葉として選ばれました。

運行状況

現在、運行は東京駅 - 博多駅間、東京駅 - 広島駅間、東京駅 - 新大阪駅間などが定期的に行われ、その数は平日では毎時5本以上に達することもあります。さらに、繁忙期には特別便も設定され、最大12本の運行が可能です。所要時間は、東京 - 新大阪間は最新のダイヤ改正で最短2時間27分に短縮されました。

車両

運行開始当初は300系が使用され、後に500系、現在はN700系とN700S系が主要な運行車両となっています。これらの車両は、ビジネスユースにも対応した設備（無線LANや家庭用コンセントなど）が充実しており、快適な移動空間を提供しています。

特急料金

「のぞみ」の特急料金は、同じ路線を走る「ひかり」や「こだま」に比べて割高に設定されており、自由席と指定席に分かれています。特に、航空機との競争を意識した運賃体系が特徴的です。

静岡県問題

「のぞみ」は運行開始以来、静岡県内の駅には停車しておらず、これが静岡県知事や地元住民の不満を招いています。過去には、静岡県知事が通行税を提言したこともありますが、JR東海は運行体系を変えるつもりはないと発表しています。

今後の展望

今後、「のぞみ」はさらに運行ダイヤの見直しを行い、新横浜駅をはじめとする主要駅へのアクセス向上を図っていく旨が示されています。また、リニア中央新幹線の開業以降も、「のぞみ」の運行の継続が検討されており、地域間の交通の便を保つ努力がなされています。

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