のとじま (掃海艇)

掃海艇「のとじま」の概要

「のとじま」（ローマ字：JS Notojima, MSC-682）は海上自衛隊に所属する掃海艇で、すがしま型の2番艇です。この艦艇の名前は能登島に由来しています。

艦歴

「のとじま」は、平成7年度計画による掃海艇382号艇として、1996年5月8日に起工されました。本艇は日立造船の神奈川工場で建造され、1997年9月3日に進水し、1999年3月16日に正式に就役しました。就役後は、横須賀の第2掃海隊群第2掃海隊に配属され、その後も各種の部隊に編入されながら活動を続けました。

2000年3月には掃海部隊の改編により、第3掃海隊に編入され、これに続いて、2011年には東日本大震災に際し、緊急派遣のために横須賀から出港します。震災を受けての活動は特に重要であり、多くの救援任務に従事しました。

その後、2012年には舞鶴地方隊第44掃海隊に編成替えされ、訓練や実働任務に参加しました。2014年や2016年には、硫黄島周辺海域での機雷処分訓練、アメリカ海軍との共同機雷戦訓練など、多岐にわたる活動に従事しました。

衝突事故

「のとじま」の運命を大きく変えたのは、2019年の衝突事故です。6月26日の夜、広島県の三原港沖で貨物船「ジェイケイIII」と衝突し、本艇の右舷後方に深刻な損傷が発生しました。衝突後、「のとじま」は自力航行ができなくなり、多用途支援艦「げんかい」によって曳航され、因島沖を経てJMU因島事業所に入港しました。

海上保安庁の調査によれば、衝突の原因はお互いの見張りが不十分だったためとされ、当時の艇長と当直士官、貨物船の航海士の3名が業務上の過失について書類送検されました。

その後、造船所による修理調査の結果、本艇を復旧するためには約1年半と11億円の修理費用が必要であることが判明しました。そのため、修理を断念し、早期に退役する決定が下されました。

除籍とその後

2020年4月、尾道区検察庁が当直士官を業務上過失往来危険の罪で起訴し、簡易裁判所は罰金を命じましたが、艇長と貨物船の航海士は不起訴とされています。本艇は2020年6月12日に呉基地において除籍され、自衛艦旗を返納しました。

呉地方総監は、母港の舞鶴ではなく呉での除籍に対し遺憾の意を表しました。また、同年12月に運輸安全委員会は衝突事故の調査結果を公表し、艇長が艦橋で居眠りをしていたことや、当直士官が適切に指導しなかったことなどが事故の要因とされる結論に至りました。これにより、「のとじま」は一連の訓練と任務を経て、大きな教訓を残しつつその幕を閉じました。

まとめ

「のとじま」は、海上自衛隊における重要な掃海艇の一つとして、多くの任務を遂行してきましたが、事故により早期の退役を余儀なくされたことは、艦艇運用の難しさとともに、その後の安全管理の重要性を示しています。

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