はずかし固め

はずかし固め：プロレスの恥辱と笑いを誘う関節技

プロレスにおいて、観客を沸かせ、時に選手に屈辱を与える独特の関節技として知られる「はずかし固め」。その名称は「恥ずかし固め」「辱め固め」など、複数の表記が存在します。本稿では、この技の多様な種類、歴史、そしてプロレス界における位置づけを詳細に解説します。

はずかし固めの種類と特徴

一口に「はずかし固め」と言っても、その技法は多岐に渡ります。レッグスプレッドを起源とするもの、ルチャリブレ由来のもの、そして各レスラーが独自にアレンジしたオリジナル技など、様々なバリエーションが存在します。

1. レッグスプレッド型

レッグスプレッドをベースとしたはずかし固めは、相手の股関節を広げることで、文字通り「恥ずかしい」体勢に陥れます。古くから伝わる格闘術の技法を起源とし、関節技としての高い威力も併せ持ちます。総合格闘家の桜庭和志選手が得意としたことから「桜庭式」と呼ばれることもあります。

2. NEOマシンガンズ式

ルチャリブレの技「バランカ・ア・オロンブス」を起源とするこの技は、リバースフルネルソンからの後転で相手を逆さまにし、自らの足を相手の両脚に絡めて開脚させます。女子プロレスでは、パフォーマンス性の高い技として人気があり、ヒールレスラーのフィニッシュホールドとしても頻繁に使用されます。NEOマシンガンズ（タニー・マウスと宮崎有妃）が得意技としていたことからこの名称で呼ばれ、開発のきっかけはアイドルとの対戦における安全性の確保と、相手に精神的なダメージを与えるためだったと言われています。宮崎選手は未成年への使用を避けていることでも知られています。バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』の「めちゃ日本女子プロレス」でも光浦靖子さんが多用し、広く知られるようになりました。

3. 安川惡斗式

安川惡斗選手が使用したはずかし固めは、相手の体勢を制御し、股を観客やカメラに見せるという、より直接的に恥辱を与えることを目的とした技です。

その他の恥辱技

「はずかし固め」以外にも、プロレスには観客や相手選手に恥辱を与えることを目的とした様々な技が存在します。

ラフレシア：ゲーム「ランブルローズ」のキャラクター、キャンディ・ケインの技。NEOマシンガンズ式と類似した技法です。
ラ・マテマティカ：ジャベの一種で、相手を逆さに持ち上げて股関節を開脚させ、関節を極めます。キン肉バスターの原型とも言われています。
キン肉バスター：股関節を開脚させる技ですが、首から落とすため危険性も高く、プロレス技として認識されています。
グラビア固め：タニー・マウス選手が使用した技で、バストを強調する要素も加えられています。
不死鳥投げ：原田泰造さんがテレビ番組で使用したギャグで、巴投げを応用し、女性の股を開脚させます。
駅弁固め：AV男優でもあるチョコボール向井さんがプロレスで使用した技です。

はずかし固め：恥辱とエンターテインメントの狭間

「はずかし固め」は、その名称から分かる通り、相手選手に恥辱を与えることを目的とした技です。特に女子プロレスにおいては、ヒールレスラーがフィニッシュホールドとして用いることで、観客の感情を煽り、試合にドラマ性を加えます。しかし、一方で、お笑い要素の強いカードでは、ネタとして使用されることもあり、そのギャップもまたこの技の魅力となっています。

様々なバリエーションが存在し、レスラーそれぞれの個性も反映された「はずかし固め」。その多様性と、恥辱とエンターテインメントの微妙なバランスが、この技をプロレス界における独特の存在にしていると言えるでしょう。

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