ジャベ

ジャベ（Llave）

ジャベはルチャリブレ、すなわちメキシコのプロレスにおける特異な複合極技のことを指します。この言葉はスペイン語で「鍵」という意味を持ち、技の特性を象徴しています。ジャベは、空中技やティヘラなどと共にルチャリブレのスタイルを形成し、古くから多様な技が存在してきました。特に、複数のポイントを同時に極める巧妙な技術が特徴です。

歴史的背景

ルチャリブレの技術の一部として、ジャベはその起源から重要な役割を果たしてきました。昭和期の日本では、これらの技は「メキシカン・ストレッチ」として知られ、広く認識されていました。2000年に入ると、ウルティモ・ドラゴンがメキシコのジャベを日本に持ち込むことで、その名は広まりました。このプロジェクトは闘龍門2000と呼ばれ、日本人レスラーによるジャベの普及を促しました。

代表的なジャベ技

ここでは、ジャベの中でも特に代表的な技をいくつか紹介します。

ロメロ・スペシャル

この技はラウル・ロメロによって考案されたもので、「タパティア」や「メキシカン・サーフボード」とも呼ばれています。相手をうつ伏せにさせ、相手の足を絡めた後、両手で相手の手首を掴み、後ろに倒れ込んで相手の体を強く反り上げる技です。相手の脇腹を軽く叩く仕草が、この技の一環になっていることが多いです。

アンヘリート

「リバース・ロメロ・スペシャル」としても知られるこの技は、通常のロメロ・スペシャルとは逆で、相手が上下逆さまの状態で極めます。視覚的なインパクトが強く、観客の興味を引きつけます。

カベルナリア

ロメロ・スペシャルの要素を持ちながらも、完全には吊り上げず、チンロックに移行して相手の顎と背中を同時に極める形の技です。

ラ・メディア・タパティア

相手の両腕を離し、両手で相手の顎をクラッチすることで極める技です。相手が反応しづらい状態を作り出します。

エル・ヌド

この技は、仰向けになった相手の両手両足を交差させ、自重を利用して両手両足を極めるユニークな手法です。技の複雑さから、習得には経験が必要です。

ゴリー・スペシャル

ゴリー・ゲレロによって創始されたこの技は、背中合わせの相手を捕らえ、背負った状態で体を反らせて相手にダメージを与えます。

最後に

ジャベはただの技ではなく、ルチャリブレの中に息づく文化と技術の結晶です。これにより、観客は試合をより楽しむことができ、レスラー同士の戦いや技術が生み出すアートを堪能できます。ルチャリブレの魅力を引き立てるジャベの技は、今後も進化を続けることでしょう。

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