はぜ (板金)

はぜ（Seam）について

はぜとは、薄い鉄板を接続する際に用いられる折り曲げ部分であり、一般的には1.6ミリ程度の厚さの板金加工で使われます。日本語では「馳」や「鈎」と表記されますが、これらの漢字は難読であるため、通常は仮名書きで表現されます。

はぜの種類と呼び方

シングル（Single, Male）

シングルは挿入する側で、通常はより小型の側面を示します。この側は直線的または曲線的に成形することが可能です。

ダブル（Double, Female）

ダブルは挿入される側で、シングルを接続するための袋状の構造を持ち、大きい側として知られています。特に、ピッツバーグはぜを手作業で折りつける際には曲線に成形されることもあります。

はぜの種類

かどはぜ

このタイプは、板を直角に接合する際に使用されます。

ボタンパンチはぜ（ダクトはぜ）

スナップロックとも呼ばれるこのはぜは、ダブル側の折り返し部分にシングル側のスナップが引っかかる構造になっており、一度の打撃で固定が完了します。このため、主に空調用の一般的なダクトに広く用いられています。

ピッツバーグはぜ

三井はぜとも呼ばれ、この技術は1930年代頃に東京の三井銀行本店の工事にアメリカ人技師が持ち込んだとされています。この工程は叩き込み後に折り返し部分を折る作業が求められ、複雑ではあるものの、その強度と漏洩の少なさが特徴で、主に高圧の排煙ダクトに使用されます。内面が平滑になるため、器具設置の際にも非常に適しています。

二重はぜ（本はぜ）

この技術は昭和初期まで用いられていた方法で、非常に手間がかかります。組み立ての際には横からスライドさせて挿入し、内部から叩く必要があります。

平はぜ

こちらは、板を平面で接続するために用いられます。

甲はぜ（平折りはぜ）

ダクト用の場合、このはぜは外面を平滑に保つために特に重要です。

立てはぜ

上記の甲はぜを立てた形状で、板の補強としての役割を果たします。ダクト内に立てて使用され、気流の方向に抵抗を与えないようにデザインされています。

加工方法

このはぜは主にロール成型機を使用して加工されますが、時にはプレスブレーキも利用されます。ストレート用のロール成型機では、いくつかの成形ロールを順に使用して加工が行われます。特に、ダクトのはぜ加工においては、シングルおよびダブルのストレートが同じ機械で処理され、特定のシングル用のアール加工機も存在します。また、ボタンパンチ用の成形機では、シングルのボタンパンチスナップを同時に加工することができます。

手道具としては、折り台や拍子木、板金ハンマー、当て盤、かけたがねなどが必要です。一般に、必要な道具が揃っていれば効率的に作業を進められます。特に、建築板金技能士検定においては、このような成型機械の使用は認められておらず、手作業による加工が求められています。

関連項目

• - ダクト（Duct）
• - ハゼ（魚のハゼ）
• - ハゼノキ（木の櫨）
• - はぜ（曖昧さ回避）

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