鉄板

鉄板とは

鉄板とは、鋼材を板状に加工したものです。一般的には「鋼板」とも呼ばれます。その用途は非常に多岐にわたり、建築、製造、調理など、様々な分野で利用されています。

概要

鉄板は、鋼材を加工する際の材料として使われるだけでなく、その板状の形状を活かして単独でも様々な用途で使われます。特に、工事現場で掘削した土壁が崩れないように支えるために使用される鉄板は「矢板」と呼ばれます。

製鉄所から出荷される鋼板は、大口の顧客にはコイル状で、小口の顧客には卸売業者で切断されたものが届けられます。一般の鉄工所では、この卸売業者によって切断された規格品の鉄板を購入し、製品を製作します。鉄板の品質は、成分組成、引張強度、溶接性、表面処理などによって異なり、JIS規格や製鉄会社の規格によって分類されます。市場に流通している鉄板の厚さは、一般的に0.5mmから25mm程度です。ステンレス鋼の板はさらに薄い0.3mmのものも存在します。また、圧延の都合上、鉄板の厚みは飛び飛びの値をとります。例えば、0.5mm程度の白色に塗装された鉄板は、プレス加工で縁を加工し、看板などに使われます。0.2mm程度の青色に塗装されたものやガルバリウムめっきが施されたものは、波板状に加工され、トタン屋根などに使われます。

造船所向けの厚板は、顧客の注文に応じて製鉄所から圧延加工され、カットされた状態で出荷されます。そのため、注文された厚板が製造されない場合、船体にそのサイズの穴が開いてしまうことになります。これにより、製鉄所では、高炉や転炉の操業率を上げつつ、注文されたサイズの厚板を納期通りに納品するための高度な工程管理が求められます。このような背景から、製鉄業では早くからコンピュータが導入され、工程管理の円滑化やコストダウンが図られてきました。

調理器具としての鉄板

鉄板は高温に耐えられるため、調理器具としてもよく利用されます。日本では、熱した鉄板で食材を調理する鉄板焼きという料理法が一般的です。鉄板焼きは、素材の旨味を最大限に引き出すことができ、様々な食材を美味しく調理することができます。鉄板焼きと同様の調理器具として、フライパンやホットプレートがあります。

敷鉄板

敷鉄板は、工事現場で作業床や地盤の保護のために使用される鉄板です。重機の走行や重量資材の仮置きに耐えられるように、厚さは19mm、22mm、25mmなどの規格が利用されます。建設業界では、22mm厚の敷鉄板が標準的に使用されます。敷鉄板には様々なサイズがあり、主なものとしては5ｘ20（1524ｘ6096mm）や5ｘ10（1524ｘ3048mm）などがあります。敷鉄板はまとまった数が使用されるため、盗難の被害も多く、工事用資材保険も存在します。

俗語としての鉄板

鉄板はその硬さから「堅い」に転じて、「間違いない」「確実な」という意味で使われることがあります。芸能界では、確実に笑いがとれる話やネタを「鉄板の話」「鉄板のネタ」と呼びます。ギャンブルで確実に勝てそうな状況を指すこともあります。また、動作が安定しているマザーボードも「鉄板」と呼ばれることがあります。一方、「厳しい」「きつい」という意味で使われる場合もあります。

まとめ

鉄板は、その多様な用途と特性から、私たちの生活に欠かせない存在です。建築現場から家庭の食卓まで、様々な場面でその役割を果たしています。鉄板の基礎知識を理解することで、よりその利便性を感じることができるでしょう。

関連項目

板金
鋼板

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