はたかぜ型護衛艦

はたかぜ型護衛艦について

概要

はたかぜ型護衛艦（Hatakaze-class destroyer）は、日本の海上自衛隊が運用するミサイル護衛艦の艦級です。2021年時点で、同型艦である「はたかぜ」と「しまかぜ」は練習艦に改装され、「はたかぜ型練習艦」としての運用を開始しました。この艦級は、第3世代のミサイル護衛艦として設計され、昭和56・58年度計画のもとで2隻が建造されました。ネームシップの建造にかかった費用は620億円とされています。2022年12月に公開された防衛力整備計画では、2027年度までに数隻の除籍が計画されています。

来歴

はたかぜ型は、海上自衛隊におけるミサイル護衛艦整備のひとつとして進められました。最初のミサイル護衛艦である「あまつかぜ」の建造を皮切りに、次世代の護衛艦体制を構築するため、たちかぜ型の整備が行われ、その流れを受けてこの艦級が設計されたのです。設計上はアメリカ海軍のチャールズ・F・アダムズ級に類似しており、艦後部にターター・システムを搭載する構造などが特徴です。

当初は4隻の建造が検討されましたが、経済的な理由から最終的には2隻にとどまることになりました。特に、イージスシステムの導入が迫る中、最適な護衛艦の数を確保するための選択がなされました。これにより、護衛艦隊の中核としての役割を果たしています。

設計

はたかぜ型の基本設計はF112とされ、若干広めの船体が特徴です。特に、全通上甲板の長船首楼型で、顕著なナックルを持つデザインは先代のたちかぜ型と共通点が多いです。復原性を保つため、幅広の船体を採用しています。艦尾には飛行甲板が設けられ、ヘリコプターの運用も可能ですが、専用ハンガーはありません。

機関と装備

この艦級は、ガスタービンエンジンを採用した日本初の護衛艦でもあります。主機関はロールス・ロイス社製のエンジンで構成されており、出力は1軸あたり36,000馬力に達します。最大速力は30ノットで、部隊運用上必要な水準に適合しています。さらに、護衛艦としては初めてフィンスタビライザーを装備しており、それにより安定性が向上しました。

武器システムは、ターターD・システムに基づくもので、ミサイル発射装置や主砲、近接防空用の機関砲が搭載されています。また、最新の戦闘情報処理装置も搭載され、状況に応じた戦闘行動が可能です。

運用史

就役以来、はたかぜ型は概ね計画通りの運用を続けていますが、近代化改修の計画は実現しませんでした。長期間にわたる活動を経て、艦齢延長措置が取られ、運用期間が延びることとなりました。2020年3月には「はたかぜ」が練習艦に改装され、その後「しまかぜ」も2021年3月に同様の変更が行われました。

最長老艦として、はたかぜ型は自衛隊の重要な資産として位置づけられています。

メディアでの登場

はたかぜ型護衛艦は多くの映画やテレビドラマ、アニメ作品に登場しています。例えば、『ゴジラ』シリーズでは、艦の活躍が描かれています。『新世紀エヴァンゲリオン』や『BLUE DROP』などでも、その姿を見ることができます。特に、架空の艦としての登場シーンなどはファンの間で注目されています。

最終的には、はたかぜ型護衛艦はその設計、運用、メディアでの影響力を通じて、日本の防衛力において不可欠な存在となっています。

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