はまぐり大将

『人情劇 はまぐり大将』は、1970年4月1日から同年9月16日まで、日本テレビ系列で毎週水曜20時台に放送された連続テレビドラマです。全13回放送されました。ただし、プロ野球中継が編成された際には休止となることがありました。

物語は、主人公である阿刀田正介が、10歳から天秤棒を担いで貝を売り歩き、その後「貝正」という貝類加工販売会社を創業し、30人の従業員を抱えるまでに成長させたという設定で始まります。正介は会長として会社を率いていますが、海の公害による貝の生産量の減少に頭を悩ませています。

正介の長男である喜一や、営業部長を務める四男の智彦は、会社の経営を多角化するため、塩コンブや干しイカなどの乾物販売にも乗り出すべきだと進言しますが、正介は頑なに貝にこだわり、二人の意見を聞き入れません。このような阿刀田一家の姿を通して、家族間の葛藤や、親世代と子世代、孫世代の価値観の違いをユーモラスに描いています。

このドラマの特徴の一つとして、主演の藤岡琢也が主題歌を自ら歌っている点が挙げられます。作曲は山本直純が担当しました。

主な出演者は以下の通りです。

阿刀田正介：藤岡琢也
阿刀田嘉一（長男）：小泉博
阿刀田絢子（嘉一の妻）：市原悦子
阿刀田智彦（四男）：山田吾一
阿刀田久美子（三女）：秋山ゆり
加代：光本幸子
阿刀田澄子（智彦の妻）：池田和歌子
阿刀田郁子：永野裕紀子
阿刀田雄二（正介の孫）：山本善朗
圭三：藤木悠
* 篤史：大谷直

脚本は井上和男、向田邦子、池田一朗、斎藤良輔、須崎勝彌らが担当し、演出は井上和男と高瀬昌弘が担当しました。制作は日本テレビと東宝が共同で行いました。

このドラマは、当時の社会情勢や家族観を反映しており、多くの視聴者に共感を呼びました。また、藤岡琢也をはじめとする俳優陣の熱演や、ユーモラスな演出が、ドラマをより一層魅力的なものにしています。なお、このドラマは、日本テレビ水曜8時枠連続ドラマの一つとして放送されました。

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