はるさめ (護衛艦・初代)

護衛艦「はるさめ」について

護衛艦「はるさめ」は、海上自衛隊の護衛艦であり、むらさめ型護衛艦（初代）の3番艦として位置づけられています。その名前は「春に静かに降る雨」に由来し、過去の艦艇と同じ名称を引き継いでいます。「春雨」は旧海軍春雨型駆逐艦、また白露型駆逐艦「春雨」が存在しました。本艦はその3代目となります。

艦歴の詳細

「はるさめ」は、1958年6月17日に浦賀船渠で起工され、1959年6月18日に進水、さらに同年12月15日に正式に就役しました。最初は舞鶴地方隊に編入され、1960年には第1護衛隊群の隷下にある第10護衛隊に編入されました。1961年2月1日には、自衛艦隊の組織変更によって第2護衛隊群の一部となります。

海上自衛隊は1960年代から自国での射撃指揮装置の開発に着手し、その実験を「はるさめ」で行うことになりました。1965年には艦橋に設置されていたMk.63およびMk.57射撃指揮装置を取り外し、新たに開発された試作装置に置き換えました。この技術試験を経て、1968年には68式射撃指揮装置が正式に採用されました。

また、1967年3月には艦尾の爆雷投下装置が撤去され、代わりにVDS（可変深度ソナー）が装備されました。1968年には遠洋練習航海に参加し、1969年には第3護衛隊群に編成替えが行われました。

1979年の8月から9月には、対潜兵器の換装が行われ、短魚雷落射機が撤去され新しい68式3連装短魚雷発射管が装備されました。1984年には第10護衛隊が廃止されたことに伴い、第3護衛隊群に直轄艦として編入され、1985年には艦籍番号がASU-7008に変更され特務艦に指定されました。この際、定係港も呉に移され、潜水艦の訓練をサポートする任務に転じました。

除籍と航海の総合

「はるさめ」は、1989年5月31日に除籍されるまでの29年間にわたり、約66万浬を航海しました。これは地球を約30周分に相当します。この艦艇の歴史は、海上自衛隊の発展と技術革新の一端を担ったことを示しています。今後も「はるさめ」の名は、海軍歴史の中で語り継がれることでしょう。

歴代艦長

護衛艦「はるさめ」には、多くの艦長が在任し、それぞれが艦艇の運用に貢献してきました。詳細は海自の記録を参考にすることが推奨されます。

参考文献

• - 『丸スペシャル』第59号（潮書房、1982年）
• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）
• - 『世界の艦船』第750号（海人社、2011年11月号）

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