はるさめ (護衛艦・2代)

護衛艦「はるさめ」の艦暦について

護衛艦「はるさめ」は、海上自衛隊のむらさめ型護衛艦の2番艦であり、その名は「春に静かに降る雨」に由来しています。艦名はこれまでに4代目となり、先代の春雨型駆逐艦「春雨」や白露型駆逐艦「春雨」、別のむらさめ型護衛艦の「はるさめ」などに受け継がれています。本記事では、はるさめの艦歴に焦点を当てます。

艦の建造と就役

「はるさめ」は、中期防衛力整備計画に基づいて平成4年度に建造が始まり、1994年8月11日に三井造船玉野事業所で起工しました。1995年10月16日には進水し、1996年9月25日から公試が開始され、1997年3月24日に正式に就役しました。就役以来、本艦は横須賀に配備され、第1護衛隊群の一員として活動しています。

演習や国際活動に参加

「はるさめ」は、1998年及び2000年に環太平洋合同演習（RIMPAC）に参加し、国際協力の面でも活動を展開しました。2001年には、オーストラリア建国100周年の国際観艦式において「むらさめ」とともに派遣されましたが、アメリカ同時多発テロ事件の影響で国際観艦式は中止となり、急遽帰国することとなりました。

テロ対策活動

2002年には、インド洋でのテロ対策特別措置法に基づく活動に参加し、約半年後には任務を完了させ帰国しています。2005年からは、オーストラリア海軍フリゲート「キャンベラ」との交歓や、ニュージーランド海軍フリゲート「テ・カハ」との親善訓練を行っており、多国間での連携を強化しています。

海賊対策任務

特に注目すべきは、2009年からの海賊対処活動に関する任務です。「はるさめ」は第2次派遣海賊対処行動水上部隊として出港し、その後も何度も同様の任務を遂行しています。この任務において、248隻の船舶を護衛し、緊急事態にはSH-60Kを発進させるなど、迅速な対応を行いました。2011年に発生した東日本大震災では、地震発生からわずか68分後に出港し、災害派遣活動も実施しました。

国際共同訓練

「はるさめ」は、国際共同訓練にも多く参加しています。特に、日米共同訓練や日豪共同訓練は、戦術の向上や互いの理解を深める機会となっており、関係国との連携を強化する役割を果たしています。これにより、海自としての実力向上と同時に、派遣先国との信頼関係を築く努力をしています。

最近の活動

近年、「はるさめ」は2022年から2023年にかけて再度海賊対処行動水上部隊としての任務を含む多くの活動を展開しています。新型コロナウイルス感染症の影響も受けている中、乗組員の健康管理に配慮しつつ訓練や作戦も行っています。また、最新鋭の艦艇や航空機との共同訓練を通じて、さまざまな戦術を研磨することにも努めています。

所属と今後の展望

現在は第2護衛隊群第2護衛隊に所属し、定係港は佐世保です。護衛艦「はるさめ」は、これからも国内外での防衛活動や国際演習への参加を通じて、海上自衛隊の重要な役割を果たしていくことでしょう。艦の存在は、日本の安全保障において欠かせないものとなっており、継続的な維持・運用が期待されます。

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