はるな (護衛艦)

護衛艦「はるな」（DDH-141）の概要と艦歴

護衛艦「はるな」（ローマ字: JS Haruna, DDH-141）は、海上自衛隊に所属する護衛艦であり、はるな型護衛艦の第一艦です。その名は榛名山に由来し、旧海軍における金剛型戦艦「榛名」にちなんで名付けられました。この艦は日本における初のヘリコプター搭載護衛艦であり、設計上の特筆すべき点は、5000トン級ながらも最大3機までのヘリコプターを搭載・運用できる能力です。このような設計は日本独自の用兵思想を反映しており、発展改良型を含む新たな艦艇が登場するまでの間、世界的に見ても特異な存在でした。

特徴と装備

「はるな」は、ヘリコプターの運用時に艦の姿勢を安定させる為にフィンスタビライザーを自衛艦で初めて装備しました。また、艦上での飛行作業を安全かつ効率良く行うための装置、着艦拘束装置（ベアトラップ）も搭載しています。これらの装備は、「はるな」が冬の北西太平洋における作戦展開で重要な役割を果たすための基盤となりました。

艦歴の詳細

艦は昭和43年度の計画に基づくヘリコプター搭載護衛艦として、1970年に三菱重工業長崎造船所で起工されました。1972年2月には進水し、1973年2月22日に正式に就役。最初は第1護衛隊群に配備され、横須賀を母港としました。

艦の運用歴の中で特筆すべき出来事として、1974年の第十雄洋丸事件が挙げられます。この際、艦は臨時処分部隊の旗艦として出動し、爆発物による二次災害を防ぐための処理にあたりました。

その後も、1975年にアメリカ海軍との合同対潜水艦戦訓練に参加するなど、様々な訓練や任務に従事してきました。特に1978年にはハワイ派遣訓練にも参加し、国際的な運用能力を磨きました。1980年代には改修を行い、対潜捜索能力や防空能力が向上しました。

1990年から2000年代にかけては、環太平洋演習やインド洋派遣任務に参加し、国際的な安全保障活動に寄与しました。特に2002年からはテロ対策特別措置法の下でインド洋任務に関与し、重要な役割を果たしました。

最後の運命

「はるな」は2009年に除籍されるまで、様々な任務に従事しました。艦の総航程は約960,000マイルであり、ヘリコプターの着艦回数は55,000回を超えました。彼女は海上自衛隊の技術革新や国際協力の一端を担った艦艇として、その歴史に名を刻むこととなります。

艦の最後は、建艦当初からの老朽化を鑑みて、退役後は解体されました。この艦は、海上自衛隊の発展と共に成長し、数々の任務を成功裏に遂行した艦艇として評価されています。

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