『はるるみなもに!』
概要
『はるるみなもに!』は、
アダルトゲームブランド「
クロシェット」が
2017年3月24日に発売した18歳以上対象の恋愛アドベンチャーゲームです。同ブランドの過去作品である『
かみぱに!』や『
あまつみそらに!』といった、日本の
神道の神様観を題材とした流れを汲む作品となっています。本作の大きな特徴として、攻略対象となるヒロインの中に、人の姿で私たちの前に現れる神、いわゆる「
現人神(あらひとがみ)」が含まれている点が挙げられます。
舞台と物語
物語の舞台となるのは、再開発による近代化が進む一方で古くからの伝統も色濃く残る地方都市、玉津江町です。この町は、海側と山側の地域にそれぞれ海の神と山の神を祀る神社が存在しています。山側には、町の人々が誇りとする
現人神の少女が
祭神として存在していますが、海側の神社は長らく祀るべき神が不在の状態でした。この状況を打開するため、海側に新たな神様を迎えることになります。
しかし、新たに赴任してきた神は、その力において鎮守としての役割を十分に果たせる存在ではありませんでした。この事態が、まるで呼び水となったかのように、各地から様々な個性を持った神々が玉津江町へと集まってきます。主人公は、そんな神々と関わりながら、物語を進めていくことになります。
登場人物
主人公
山神 立貴(やまがみ りき)
山神神社の
宮司の息子であり、現地の学校、玉津江
海神学園に通う2年生です。
現人神である妹がいます。
ヒロイン
春ヶ崎 叶(はるがさき かなう)
神名:瑞宝叶比売命(ミズタカラカナウヒメノミコト)
玉津江町の
海神として新たにやってきた少女です。素直で努力家な性格ですが、元々は人間の少女であり、病弱で学校に通えない時期が長かった過去を持ちます。神になった後も、生来の不運に見舞われやすい性質のため、玉津江到着早々に災難に見舞われるなど、様々なエピソードに事欠きません。幼くして両親を不慮の事故で失っており、後に立貴のクラスに転入し、学校生活を享受しています。
山神 水緒里(やまがみ みおり)
神名:稚向津水緒里神(ワカムカツミオリノカミ)
主人公・立貴の妹であり、神楽谷神社の二代目山神を務める
現人神の少女です。「うん、知ってる」「うん、知ってた」が口癖。先代の山神が遺した
言霊の制約により、山から出ることができずにいました。そのため、趣味は映画鑑賞やゲームなどインドアなものに限られていましたが、物語の中で制約が解け、山から降りられるようになります。
松房 英麻(まつふさ えま)
山神兄妹とは幼馴染の関係にある、玉津江
海神学園の2年生です。町で長く続く和菓子店の娘であり、実店舗に併設された茶房では、持ち前の明るさと愛嬌で人気を集めるウェイトレスとして働いています。
幡上 芽以(はたがみ めい)
神名:珍魂奇魂甕津雷媛神(ウズノミタマクシミタマミカツイカヅチヒメノカミ)
自然界の営みから自然発生的に生まれたとされる、規律を重んじる生真面目な性格の
雷神です。新たな
海神である叶が、鎮守の役目を果たすのに苦戦していると聞きつけ、手助けのために玉津江町へとやってきました。言葉を発する際に、意図せず雷を伴ってしまうという特徴があります。
伊吹 明日海(いぶき あすみ)
玉津江
海神学園の2年生で、主人公や英麻のクラスメートです。長身でクールな印象を与えます。町の再開発から取り残された漁師町・砂取地区に母親と二人で暮らしています。過去のある事故を契機に、海に関わる神々に対して強い忌避感を抱いています。この事故は彼女が打ち込んでいた水泳部を辞める原因ともなりました。
スタッフ
原画・キャラクターデザイン: しんたろー
シナリオ: 保住圭、
姫ノ木あく、
和泉万夜、深山ユーキ
*
主題歌: オープニングテーマ「Be With You」(作詞・歌:
AiRI、作曲:Yo-Hey、
宮崎京一、編曲:
宮崎京一)
『はるるみなもに!』は、神様を身近な存在として描くことで、個性豊かなキャラクターたちとの交流や、町の抱える問題、そしてヒロインたちがそれぞれの事情や運命と向き合う姿が丁寧に描かれた作品です。