ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編

ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編

『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編』は、同人サークルである07th Expansionが製作した同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』の記念すべき第1話。シリーズの出発点となった重要なエピソードです。

概要

2002年8月のコミックマーケット62で発表当初は大きな話題とはなりませんでしたが、伝奇的な要素を取り入れたストーリーが口コミで広がり、同人ゲームとしては異例の人気を獲得しました。

物語は、東京から雛見沢村へ引っ越してきた少年・前原圭一が、個性的な仲間たちと過ごす楽しい日常から始まります。しかし、次第に村に隠された暗い過去や怪事件が明らかになり、サスペンス要素が色濃くなっていく展開が、読者に大きな衝撃を与えました。日常と非日常のギャップが、より一層恐怖感を煽る構成となっています。

ゲームをクリアすると、登場人物たちが物語を振り返り、客観的な推理を披露する「お疲れ様会」や、ミニゲーム「れなぱん」が楽しめる特典が追加されます（Windows版のみ）。なお、07th Expansionの公式サイトでは、体験版として本編を無料でダウンロードできます。ただし、製品版で使用されていたフリー素材のBGMは、一部変更されています（携帯アプリ版も同様）。

「鬼隠し編」は、PS2版「祭」に「第弐章・鬼隠し編」として、DS版「絆・第一巻」に「第壱章 鬼隠し」として収録されています。また、実写映画版の第一作目は、この「鬼隠し編」をベースに制作されました。

れなぱん

Windows版のクリア後、またはiアプリ版・EZアプリ版で本編とは別に購入できるミニゲームです。竜宮レナが繰り出す、超高速で破壊力抜群の必殺技「れなぱん」をひたすら回避し続けるというシンプルな内容ですが、中毒性の高いゲームとして人気を集めました。

ドラマCDの公式サイトでは、Adobe Flash版の「れなぱんOnline」をプレイすることも可能です。また、iアプリでは、オリジナル版とは別に、直感ゲームに対応したバージョンも配信されています。

時代考証

物語の舞台は基本的に1980年代初頭ですが、一部、時代考証に合わない点も見られます。例えば、幕張メッセ（1986年開場）や東京ビッグサイト（1996年開場）が、1983年の時点で存在しているなどの矛盾が見られます。また、作中では日航ジャンボ機墜落事故（1985年）を意識したと思われる発言も登場します。

ストーリー

昭和58年。前原圭一は、両親と共に人口2000人弱の寒村・雛見沢村へ引っ越してきました。都会から来た圭一は、村での生活を謳歌します。ある日、圭一はクラスメイトの竜宮レナの趣味である「宝探し」に付き合い、村外れの廃棄物処分場へ向かいます。そこでレナが探し求める「ケンタくん人形」を見つけるのに苦労していると、レナが自宅へ道具を取りに戻っている間に、圭一は写真家の富竹ジロウと出会います。

富竹から、かつてこの地で計画されていたダム建設と、その過程で発生した未解決のバラバラ殺人事件について聞かされた圭一は、強い好奇心を抱きます。その処分場にあった雑誌の中から、5年前に発生した事件の記事を見つけ、事件の概要を知るうちに、圭一の日常は徐々に狂い始めていくのです。

登場人物

前原圭一
竜宮レナ
園崎魅音
北条沙都子
古手梨花

これらの人物については、それぞれの個別項目を参照してください。

演出

物語の中盤で、竜宮レナの態度と目の色が大きく変化する状態は、ファンから「オヤシロモード」と呼ばれ、恐れられています。この目の色について、原作者の竜騎士07は「八咫桜が何となく目を水色に塗ったら誰もがビックリするほど怖くなったので自分が描き直してそのまま劇中で使った」と語っています。

また、レナが初めて豹変した際のセリフ「嘘だッ!!!」は、本作を象徴する名台詞の一つとして知られています。

原作では、ある人物が「この話になるのは奇跡的な確率」と語っています。これは、同様の惨劇が起こる可能性が極めて低いことを示唆しています。

「鬼隠し編」は、富竹との接触、仲間への不信感、オヤシロ様の祟りといった要素よりも早く、誰も止めることのできない決定的なフラグが立つことによって始まる、悲劇的な物語なのです。

メディア展開

漫画

スクウェア・エニックス刊『ガンガンパワード』にて2005年春号から2006年春号まで連載されました。作画は鈴羅木かりんが担当。「嘘だッ!!!」と叫ぶレナの場面は、単行本を含めカラーで描かれています。

ISBN 4-7575-1590-1 2006年1月22日 初版発行
ISBN 4-7575-1704-1 2006年7月22日 初版発行

アニメ

第1期「ひぐらしのなく頃に」の第1話から第4話が「鬼隠し編」としてアニメ化されました。

第1話 鬼隠し編 其の壱 ハジマリ
第2話 鬼隠し編 其の弐 隠しごと
第3話 鬼隠し編 其の参 疑心
第4話 鬼隠し編 其の四 歪

ドラマCD

全3枚組で、HOBiRECORDSから発売、WAYUTAから販売されました。キャストはアニメ版と同じ声優が担当しています。

2005年5月27日発売 WACD-001
2006年9月14日よりiTunes Storeで配信開始

小説

著者は竜騎士07、イラストはともひが担当。

講談社BOX版
ひぐらしのなく頃に 第一話 〜鬼隠し編〜（上） ISBN 978-4-06-283637-1
ひぐらしのなく頃に 第一話 〜鬼隠し編〜（下） ISBN 978-4-06-283641-8
星海社文庫版
ひぐらしのなく頃に 第一話 〜鬼隠し編〜（上） ISBN 978-4-06-138901-4
ひぐらしのなく頃に 第一話 〜鬼隠し編〜（下） ISBN 978-4-06-138902-1

外部リンク

ひぐらしのなく頃に体験版
アニメ公式サイト：「鬼隠し編」
小説版「鬼隠し編」 | 星海社文庫 『ひぐらしのなく頃に』 | 最前線

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