ひだ (列車)

特急「ひだ」の紹介

特急「ひだ」は、東海旅客鉄道（JR東海）と西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行する特別急行列車で、名古屋駅と高山駅を結ぶ重要な路線です。1958年に運行が始まり、以来その運行方法や停車駅の変更などさまざまな進化を遂げてきました。本記事では「ひだ」の沿革と現在の運行状況に焦点を当てて説明します。

運行の歴史

特急「ひだ」は、1958年3月1日に名古屋駅 - 富山駅間で準急としてデビューし、当初のサービスから徐々に進化を遂げてきました。その後、1966年には急行に格上げされ、1968年には特急として金沢駅への運行も開始されました。しかし、1980年代半ばに運行区間が縮小され、1985年には飛騨古川駅 - 金沢駅間の運行が廃止されました。

1990年代に入ると、道路交通の発展が進行し、特急「ひだ」は他の交通手段と激しい競争を強いられるようになります。特に、自家用車や高速バスとの併走が問題となり、利用客が減少しました。これを受けて、JR東海は新型車両の導入やサービス向上を図り、2022年にはHC85系の運行を開始しました。

名称の由来とヘッドマーク

「ひだ」という名称は、高山市を中心とした岐阜県北部の旧国名「飛騨国」から由来しています。また、1980年に変更されたヘッドマークは合掌造りの家と飛騨山脈をモチーフとしており、デザインが変わったことで鉄道ファンや地域住民からも愛されています。これは利用者の多さを反映したものであり、高山本線の電化を視野に入れた計画も背景にありました。

運行状況

2024年3月現在、名古屋駅 - 高山駅間では5往復の運転が行われています。名古屋駅 - 飛騨古川駅間や名古屋駅 - 富山駅間、大阪駅 - 高山駅間でも各1往復の列車が運行中です。特に注目すべき点は、名古屋駅発着の列車が岐阜駅で方向転換を行う点です。これは、高山本線の特性から座席の向きが逆になることがあるため、乗客にとって注意が必要です。

停車駅と臨時列車

定期列車に加えて、観光シーズンには臨時列車も運行されます。特に「高山祭」や「おわら風の盆」の期間中には便数が増加し、沿線のイベントや観光需要に対応しています。臨時の高山駅行き列車は、地域の魅力を再認識させる貴重な機会を提供し続けています。

使用車両

「ひだ」には現在、JR東海のHC85系気動車が使用されており、全席指定席として快適な旅を提供しています。この新型車両は、2022年から段階的に導入が進められ、2023年には全定期列車に乗り入れることとなりました。これにより、より多くの乗客が快適性を享受できるようになり、訪日外国人観光客の需要にも対応しています。

まとめ

特急「ひだ」は、地域の交通だけでなく観光や文化交流にも重要な役割を果たしています。その歴史を振り返ることで、時代の変遷とともに進化し続ける日本の鉄道の一端を感じることができるでしょう。今後も「ひだ」を通じて、岐阜県や富山県の魅力を伝え続けていくことが期待されます。

もう一度検索