ひまわり2号

ひまわり2号 (GMS-2)の概要



ひまわり2号（ひまわり2ごう、GMS-2）は、宇宙開発事業団（NASDA）が手がけた日本の静止気象衛星です。この衛星は、宇宙からの気象観測を行い、世界気象機関が推進する気象監視計画の一環としての役割を担っていました。日本電気が設計と製造を担当し、その先進的な技術により、国内外から高い評価を受けました。

打ち上げの経緯



ひまわり2号は、1981年8月11日に種子島宇宙センターからN-IIロケット2号機によって打ち上げられました。この日、衛星の打ち上げと同時に、西日本空輸のヘリコプターが海上に墜落する悲劇的な事故が発生し、関係者にとっては災難となりました。しかし、衛星自体は無事に軌道に乗り、気象観測を開始しました。

運用開始と特徴



ひまわり2号は、1981年12月24日に運用を開始しました。基本的な性能は、前任のひまわり1号（GMS-1）と似ていたものの、国産部品の導入と国内ロケットによる打ち上げによって、重要な技術的進歩を示しました。外観上は、GMS-1で使われていたVHFアンテナがGMS-2からUSBオムニアンテナに変更され、それ以降のGMS-5までこのデザインが踏襲されました。

運用上の課題



しかし、GMS-2は、打ち上げから約2年後の1983年には、スキャン系の機械トラブルを抱えることとなり、観測データの取得に支障をきたしました。故障が進行するにつれて、スキャンエラーが頻発し、観測回数を制限するなどの対応策が講じられましたが、状況は改善されませんでした。

1984年1月からはひまわり1号による観測に変更されましたが、1984年6月、GMS-1も設計寿命を超えて運用されており、スキャンエラーを発生させました。このため、観測範囲を縮小しつつ運用を続けましたが、6月29日に発生したエラーにより、完全に観測データが取得できなくなる事態に陥りました。

その後、気象庁と宇宙開発事業団はGMS-1からGMS-2への観測切り替えを決定しました。ただし、運用は不安定であり、毎日の定時観測の回数を減らし、変則的な運用を余儀なくされました。この状況は、GMS-3が運用を開始する1984年8月27日まで続きました。

最終的な運用停止



1984年以降、GMS-2は静止軌道に留まり続けましたが、長期的な運用は難しく、1987年11月20日に正式に運用停止されました。ひまわり2号の運用を通じた経験は、日本の気象衛星技術の進展に大いに寄与しました。これにより、その後の気象衛星の設計や運用に重要な教訓が残されました。

軌道情報



ひまわり2号は、静止衛星軌道上にあり、東経140度に位置していました。これは、気象観測における重要なポイントであり、広範囲な地域の気象データを収集することを可能にしました。

関連項目



参考リンク


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