ひよっこ (テレビドラマ)

NHK連続テレビ小説『ひよっこ』

『ひよっこ』は、2017年度上半期にNHKが放送した連続テレビ小説で、全96作目にあたります。物語は1960年代の高度経済成長期を背景に、地元茨城県を舞台に描かれています。特に、東京オリンピックの開幕を控えた昭和39年を背景に、主人公・谷田部みね子の成長と家族との絆を中心に展開されます。

あらすじと設定

物語の主人公、谷田部みね子は奥茨城村の米農家で育った高校生です。父親の実は、借金返済のために東京で出稼ぎをしていますが、ある日失踪してしまいます。この事態を受けて、みね子は東京へ集団就職することを決意し、上京します。彼女は向島のトランジスタラジオ工場で働くことになりますが、初めての環境に戸惑いながらも、仲間たちと共に試練を乗り越えていきます。物語は主に、「故郷編」と「東京編」の二部から構成されています。

故郷編

みね子とその家族の温かな関係が描かれる故郷編では、家業の農業を手伝いながら、父親の帰りを心待ちにしています。しかし、父の行方がわからなくなることで、彼女は状況に立ち向かう強さを見せつけます。この過程で、農村ならではの人間関係や価値観が根底に描かれ、視聴者に深い感動を与えます。

東京編

東京編では、みね子が向島電機での新しい生活に適応していく姿が描かれます。仲間たちとの友情や、仕事を通じた成長、そして家族への想いが交錯しています。最初は失敗の連続だったみね子ですが、周囲の支えを受けて次第に自信を取り戻していきます。職場でのコーラス部活動や、みね子が立ち上げた新メニューの考案などを通じて、職場での仲間との絆も深まります。

登場キャラクター

みね子の成長を支えるキャラクターたちも重要な存在です。彼女の幼馴染である時子や三男、東京で出会った澄子たちとの友情が物語をさらに彩ります。また、向島電機の同僚たちや、赤坂の洋食店「すずふり亭」の家族的な雰囲気も印象的です。特に、すずふり亭の店主である鈴子や料理長の省吾は、みね子の心の支えとなる存在です。

制作背景

本作は、岡田惠和のオリジナル脚本によって作られ、映像美や音楽も高く評価されました。特に、主題歌の桑田佳祐「若い広場」は、物語に深みを与える要素として知られています。さらに、本作は東京での制作にもかかわらず、茨城県という地方都市の魅力や歴史がしっかりと描かれています。

評価と影響

視聴率は初回こそ19.5%と控えめでしたが、物語が進むにつれて高評価を得ていき、最終話では21.4%を記録しました。多くの視聴者にとって、心温まるストーリーとリアルな人間ドラマは大きな支持を集めました。さらに、続編である『ひよっこ2』も製作され、再び視聴者の関心を引くこととなります。ドラマを通じて、家族の絆やコミュニティの重要性が再認識され、視聴者に感動を与えました。これにより『ひよっこ』は、ただのドラマの枠を越え、文化としても大きな影響を及ぼした作品となりました。

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