ひろみの朝・昼・晩

『ひろみの朝・昼・晩』：郷ひろみの1日を彩る音楽

1974年6月1日、CBS・ソニーレコードより発売された『ひろみの朝・昼・晩』は、人気アイドル歌手・郷ひろみの4枚目のオリジナルアルバムです。前作『ひろみの部屋』からわずか5ヶ月という短いスパンでのリリースとなりました。本作の大きな特徴は、郷ひろみの1日の生活をコンセプトに、全曲が書き下ろしの新曲で構成されている点です。

アルバムの構成と商業的成功

アルバムは、朝、昼、晩と、1日の時間帯を反映した曲順で構成されています。軽快なリズムからしっとりとしたバラードまで、郷ひろみの幅広い歌唱力と、当時の流行を捉えた楽曲群は、多くのファンを魅了しました。その結果、オリコンチャートでは初登場2位という高い順位を獲得。前作に続き、3作連続でトップ3入りを果たすという快挙を達成しました。この成功は、郷ひろみの絶大な人気と、楽曲の高いクオリティの両方を示すものと言えるでしょう。

音楽性と主要楽曲

『ひろみの朝・昼・晩』に収録されている楽曲は、作詞を岩谷時子、作曲を筒美京平、編曲を高田弘という豪華な布陣によって制作されています。彼らのコラボレーションによって生まれた楽曲は、どれも完成度が高く、郷ひろみの魅力を最大限に引き出しています。特に8枚目のシングルとしてリリースされた「花とみつばち」とそのカップリング曲「悲しみをわけて」は、アルバムの中でも特に人気が高い楽曲です。その他にも、「目覚め」「フレンズ」「空のむこう」「君たちがいるから僕がいる」「僕のドラマ」「夕暮れの街」「バス・ルーム」「君と眠れたら」など、バラエティに富んだ楽曲が収録されています。これらの楽曲は、郷ひろみの歌声と相まって、聴く者の心に深く刻まれる名曲揃いです。

ジャニーズ事務所在籍時の最後を飾る作品

『ひろみの朝・昼・晩』は、郷ひろみがジャニーズ事務所に所属していた時代の最後のオリジナルアルバムという重要な意味も持っています。このアルバムがリリースされた後、郷ひろみはジャニーズ事務所を退所。その後もソロアーティストとして活躍を続け、日本の音楽史に大きな足跡を残すことになります。そのため、『ひろみの朝・昼・晩』は、郷ひろみのキャリアにおいて一つの転換期を示す作品と言えるでしょう。

再発売と時代を超えた魅力

1991年には、CD規格での再発売が行われ、多くのリスナーに再びその魅力が届けられました。時代を超えて愛されるこのアルバムは、郷ひろみの若さと才能、そして当時の音楽シーンの勢いを余すことなく感じさせてくれます。聴く人の心を掴んで離さない、その魅力は、今もなお色褪せることがありません。 当時を知る世代はもちろん、現代のリスナーにとっても、郷ひろみというアーティストの偉大さを再確認できる、貴重な一枚と言えるでしょう。

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