ぴえん

ぴえんとは

「ぴえん」は、泣いている様子を表す擬態語として、または目を潤ませた絵文字 (🥺) の呼称として用いられます。元々は泣き声の「ぴえーん」を省略したもので、SNSやメールなどで「（涙）」の意味合いで使われることが多い言葉です。

概要

擬態語としての「ぴえん」は、悲しい時だけでなく嬉しい時にも使用され、深刻な状況を表すものではありません。目を潤ませた絵文字 (🥺) と共に用いられることが多く、感情を軽く表現する際に適しています。また、「ぱおん」や「ぴえんヶ丘どすこい之助」といった強調表現も存在します。

泣いている様子を表す擬態語は以前から存在しますが、「ぴえん」は特に幼児性を帯びた表現として捉えられています。ITジャーナリストの井上トシユキは、「ぴえん」や「ぱおん」といった言葉の先頭にある半濁音が、かわいらしい印象を与え、「小泣き感」を強めていると分析しています。ライターの沼澤典史は、「ぴえん」が文脈によって「悲しい」「うれしい」など多岐にわたる意味を持つ点を、「卍」や「ヤバい」といった言葉と類似性があると指摘しています。

絵文字

「ぴえん」は、目を潤ませた絵文字 (🥺) との組み合わせでよく使用されます。この絵文字は、AppleのiOSでは2018年10月のバージョン12.1で追加されました。

流行

「ぴえん」という言葉は、2018年11月頃から女子中高生の間で使用されるようになり、その後、男女問わず幅広い世代に浸透しました。2019年には「JC・JK流行語大賞2019」のコトバ部門で1位を獲得するなど、若者文化を象徴する言葉として注目を集めました。

言葉の由来は定かではありませんが、女性アイドルグループ・虹のコンキスタドールのメンバーが名付け親を自称しています。また、Yahoo!の分析によると、2018年8月頃に埼玉県で検索され始めたというデータがあります。

商標登録

2020年には、「ぴえん」という言葉や関連する絵文字の商標登録が出願されましたが、特許庁から拒絶理由通知が出ています。これは、「ぴえん」が特定の業者を示すものではなく、一般的な言葉として認識されているためと考えられます。

新語として認定

2020年、「ぴえん」は「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2020』」で大賞に選出されました。この選出は、「ぴえん」が現代の若者言葉として広く認知され、定着したことを示しています。三省堂の辞書では、「ぴえん」を「小声で泣きまねをするときの言葉」「困ったり、思い通りにならなかったりして、ちょっと悲しい気分であることをあらわす言葉」と定義しています。

派生・発展

「ぴえん」の強調表現として、「ぱおん」という言葉も生まれました。また、「ぴえんこえてぱおん」や「ぴえんヶ丘どすこい之助」といったユーモラスな表現も登場し、若者たちの間で親しまれています。

ぴえん関連の派生事項

「ぴえん」という言葉は、ゲームやメイク、ファッションなど、様々な分野にも影響を与えています。

PIEN -ぴえん-: 「ぴえん」の顔文字をモチーフにしたホラーゲーム。
ぴえんアイ: 目元を潤んだように見せるメイク。
ぴえん系: ファッションや行動様式を含めたイメージ。
「ぴえん」のうた: インターネット上で話題になった楽曲。

「ぴえん」は、単なる言葉としてだけでなく、現代の若者文化を象徴するキーワードとして、様々な形で表現され、楽しまれています。

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