ふ〜ふ生活

ふ〜ふ生活（ふ〜ふせいかつ）

西ゆうじが原作を手がけ、はしもとみつおが作画を担当した日本の漫画作品です。小学館が発行する漫画雑誌『ビッグコミックスペリオール』にて、1988年から1991年にかけて連載されました。平凡な夫婦が経験する様々な出来事や困難、そしてそれらを乗り越えていく姿を丁寧に描いた物語で、読者からの支持を得て1996年にはテレビドラマ化も実現しました。

あらすじ

物語の中心となるのは、主人公の山本潔とその妻・瞳です。二人は同い年で、高校時代にペンフレンドとして知り合いました。潔が大学進学を機に上京したことで、二人の関係は本格的な交際に発展します。10年に及ぶ交際期間を経て、二人は25歳で恋愛結婚を果たしました。結婚当初は深く愛し合い、幸せな日々を送っていましたが、やがて二人の間には溝ができ、一度は離婚を選択するという劇的な展開を迎えます。

しかし、運命は再び二人を結びつけ、彼らは再婚することになります。再婚後も、夫婦生活には様々な困難が訪れます。妻である瞳が大阪へ単身赴任することになったり、潔が瞳の過去に隠し子がいるのではないかという疑念を抱いたり、潔自身が行方不明になる騒動が起きたりします。また、子供を強く望む瞳に対して、潔が適切な対応を取れずに二人の関係がギクシャクすることもありました。夫婦の間で生じる誤解や不安、すれ違いといったトラブルは尽きませんでしたが、その度に二人は互いと向き合い、問題を乗り越え、最終的には夫婦として円満な関係を築き上げていく様子が描かれています。

主な登場人物

山本 潔（やまもと きよし）: 物語の主人公。困った時に思わず笑ってしまう癖があります。元々は会社員でしたが、後にぬいぐるみ販売会社の社長となります。妻の瞳との関係に悩みつつも、奮闘する姿が描かれます。
山本 瞳（やまもと ひとみ）: 潔の妻。名門のお嬢様学校を経て大学を卒業し、映画会社の宣伝部に勤務しています。情熱的で芯のある女性として描かれます。
鈴木 望（すずき のぞみ）: 瞳の妹で、「のんちゃん」という愛称で呼ばれます。姉夫婦を温かく見守る存在です。
奈可子（なかこ）: 潔の職場の同僚。かつて潔に好意を寄せていましたが、後に梶村と結婚します。
ルミ子（ルミこ）: 瞳の職場の後輩。
梶村（かじむら）: 瞳の職場の同僚で、奈可子と結婚します。

書誌情報

単行本は、小学館の〈ビッグコミックス〉レーベルより全6巻が刊行されています。原作は西ゆうじ、作画ははしもとみつおです。各巻の発売日は以下の通りです。

第1巻：1989年7月29日発売 (ISBN 4-09-182021-2)
第2巻：1989年12月19日発売 (ISBN 4-09-182022-0)
第3巻：1990年7月30日発売 (ISBN 4-09-182023-9)
第4巻：1990年12月19日発売 (ISBN 4-09-182024-7)
第5巻：1991年5月30日発売 (ISBN 4-09-182025-5)
第6巻：1991年8月30日発売 (ISBN 4-09-182026-3)

テレビドラマ

1996年にはテレビドラマ化され、同年6月3日から8月2日にかけて、中部日本放送（CBC）制作によりTBS系列の「ドラマ30」枠で放送されました。漫画とは一部設定が異なり、瞳の勤務先が出版社に変更されています。

主なキャストは、妻・瞳役を石野陽子さん（現：いしのようこさん）が、夫・潔役を田口浩正さんが演じました。潔は実家が米穀店という設定で、優しいがやや頼りない人物として描かれました。その他、瞳の母を朝丘雪路さん、潔の母を下川辰平さん、正司照枝さんなどが演じました。脚本は関根俊夫氏、高橋留美氏が担当し、制作は中部日本放送とテレパックが手掛けました。主題歌には宇都美慶子さんの楽曲『愛しい人よ』が採用されました。

このテレビドラマ版は、漫画の世界観を基に、当時の夫婦が直面する現実的な問題や心の機微を描き、好評を博しました。

外部サイトとして、制作に携わった株式会社テレパックや、テレビドラマデータベースに関連情報が掲載されています。

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