ふだん着の温泉

『ふだん着の温泉』は、1998年から2011年までNHKで放送されていた紀行番組です。

番組の特徴は、全国各地の温泉を、日頃からその温泉を愛し、見つめ続けている地元の人々の視点を通して再発見することです。レポーターは登場せず、美しい映像と温かみのあるナレーションのみで構成されています。

制作は、仙台放送局が幹事を務め、原則として取材地の地元放送局が担当しました。共同制作会社はNHKプラネットです。

2011年の東日本大震災発生後、番組の放送は休止されました。その後、公式サイトも閉鎖され、番組名としては2011年3月で事実上終了となりました。しかし、温泉旅の企画自体は、その後も各放送局が個別に制作を続けています。

番組は、以下の時間帯で放送されていました（2011年度終了時）。

総合テレビ
本放送：土曜 11:20-11:30
再放送：
月曜 16:40-16:50（大相撲期間中は休止。中部・中国ブロックはローカル番組に差し替え）
木曜 11:15-11:25（地域情報番組を放送していない地域向けの裏送り）
日曜 4:20-4:30（東北ブロックのみ）
BS2
火曜 15:50-16:00（前週総合テレビで放送した分の再放送）

その他、ウィークエンド東北の「東北小さな旅」コーナーで、当番組がそのまま放送されることや、NHKワールドのテレビ放送でも穴埋めとして放送されることがありました。

番組のテーマ曲は、吉幾三が作詞・作曲・歌唱を手がけた「旅の途中で…」です。温かみのあるメロディーと歌詞が、番組の雰囲気を引き立てていました。

初期の放送分は、KTC中央出版から2冊の書籍として出版されています。

『ふだん着の温泉』（NHK「ふだん着の温泉 」取材班・編 / ISBN 4877581553） - 1998年度放送分を収録。絶版。
『続ふだん着の温泉』（NHK「ふだん着の温泉 」取材班・編 / ISBN 4877581782） - 1999年度放送分を収録。

『ふだん着の温泉』は、派手な演出や過剰な情報に頼らず、日本の原風景とも言える温泉地の魅力を丁寧に伝える番組でした。人々の生活に寄り添い、その土地ならではの文化や歴史、そして何よりも温泉を愛する人々の想いを伝えた、心温まる紀行番組として、多くの視聴者に愛されました。

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