ほのぼのSUN-IN

ほのぼのSUN-INの概要

ほのぼのSUN-INは、西日本旅客鉄道（JR西日本）が1987年から2009年にかけて所有していた鉄道車両であり、気動車の一種でありながら、特に観光目的で利用されることを意図したジョイフルトレインとして知られています。この列車は、地域の魅力を引き出す役割を担い、快適な旅行体験を提供するために設計されています。

車両の歴史と特性

この車両は、JR西日本米子支社で国鉄から承継された和式気動車「ふれあいSUN-IN」に続く2台目の和式気動車として製造されました。1998年に完成した「ほのぼのSUN-IN」は、旧来のキハ58系気動車を基に改造されており、和室を中心に洋室も設けられています。これによって、旅客は日本の伝統を感じながらも現代的な快適さも享受できる空間が実現されました。改造作業は後藤車両所で行われました。

車両編成

この列車は、以下の2両からなる編成構成になっており、両車両の定員はそれぞれ36名とされています。各車両はグリーン車として扱われています。

• - キロ29 551（旧番号：キハ28 2453）
• - キロ59 551（旧番号：キハ58 1129）

車体構造

ほのぼのSUN-INの車体は、前方の出入口扉と戸袋窓、そして最後部にある客室窓の一部がふさがれており、出入口は主に後方に1箇所だけになっています。外観は白を基調としており、JR西日本のシンボルカラーである青色のストライプが施されています。前方の貫通扉にはヘッドサインが取り付けられており、デザイン性に富んでいます。特にキロ59 551は、後期製造のモデルチェンジ車で、パノラミックウインドウを備えていることが特徴です。

車内の設計

車内の設計もユニークで、運転室の後ろ以外は畳が敷かれた和室が広がっています。客室の最前部は洋間となっており、ソファとテーブルが配置されています。前の車両「ふれあいSUN-IN」とは異なり、和室と洋間の間にはスライドドアが設けられて完全に仕切ることができます。内装には木目調の天井が使われており、照明も変更されています。

また、客室の最後部にはカラオケ機器やモニターテレビが設置され、浴室も設けられています。これにより、エンターテイメントが豊富な移動空間となっており、乗客が楽しむことができるよう工夫されています。さらに、随所に冷蔵ケースがあり、飲み物などを収納することができました。

運用と引退

ほのぼのSUN-INは、1987年11月1日から営業運行を開始し、単独運行や「ふれあいSUN-IN」との併結が行われていました。2007年には一部車両が廃車となり、その後は引き続き運用されましたが、老朽化のため2009年に引退が決定しました。最後の運行である「ありがとうお座敷ほのぼのSUN-IN」と「さよならお座敷ほのぼのSUN-IN」は、多くのファンに惜しまれながら、歴史に幕を下ろしました。

このように、ほのぼのSUN-INは地域の文化を体現し、多くの旅人に特別な体験を提供していたことがその魅力の一端を示しています。

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