また逢う日まで (尾崎紀世彦の曲)

『また逢う日まで』

尾崎紀世彦が歌う「また逢う日まで」は、1971年3月5日にリリースされた楽曲で、彼のソロとしては2枚目のシングルです。この曲は日本フォノグラム（現在のユニバーサル ミュージック合同会社）から発売され、オリコンシングルチャートで1位を獲得した他、累計100万枚以上の売上を記録しました。

曲の歴史と背景

「また逢う日まで」のルーツは、1969年に遡ります。当初、この曲は三洋電機（現・パナソニック）のエアコンの広告ソングとして制作されました。作曲は音楽家の筒美京平が担当し、歌詞にはやなせたかしが匿名で歌詞を付け、槇みちるが歌う形で完成されましたが、スポンサーの方針変更により不採用となってしまいます。

その後、筒美の楽曲を管理していた日音の村上はこの曲が埋もれてしまうのを惜しみ、ズー・ニー・ヴーの新曲として再活用することにしました。阿久悠が歌詞を手がけ、「ひとりの悲しみ」というタイトルで1970年にリリースされましたが、これも大ヒットには至りませんでした。

再生への思い

メロディの魅力に気づいていた村上は、「分かりやすい歌詞にすれば、必ず聴衆の心をつかむ」と確信し、尾崎紀世彦に歌わせるための試みを始めました。当初はやや消極的だった阿久も、村上の熱意に押されて新たに「別れ」をテーマにした歌詞を作成し、タイトルを「また逢う日まで」に変更します。こうして生まれたこの楽曲は、尾崎によって歌われ、世に送り出されました。

音楽の評価と影響

この曲は、歌詞とメロディの調和が絶妙であり、多くの人々に深い感動を与えました。1971年のリリース後、尾崎は第13回日本レコード大賞と第2回日本歌謡大賞を受賞し、名実ともに日本の音楽シーンでの地位を確立します。また、同年のNHK紅白歌合戦にも初出場し、その名を全国に広めました。

さらにはこの曲は、その後も多くのイベントやメディアで使用され、高校野球大会の入場行進曲やバレーボールのワールドカップイメージソングにも選ばれました。また、2003年には食玩CDのタイトル曲としても取り上げられました。

現代における評価

時代を超えて愛される「また逢う日まで」は、数多くのアーティストによってカバーされ続けています。尾崎自身も、この曲を「未だに自分は歌い切れていない」と語っており、その影響力は今日に至るまで色あせることがありません。また、オリジナル盤が様々な作品のサウンドトラックに使われたり、歌の力強さが人々の心に残り続けています。

このように「また逢う日まで」は、音楽の歴史において重要な位置を占める楽曲であり、多くの人に希望と感動を提供する存在であり続けています。

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