まちぶせ

曲の紹介

「まちぶせ」は、日本のシンガーソングライター荒井由実（後の松任谷由実）が作詞・作曲を手掛けた名曲である。元々は三木聖子に提供された楽曲で、1976年にシングルとしてリリースされた。その後、1981年には石川ひとみによるカバーが発表され、石川の代表作ともなり、さらに松任谷由実自身によるセルフカバーが1996年にリリースされるなど、多くの歌手に歌われてきた。

背景

この曲は三木聖子の実体験に基づいていると言われており、歌詞の内容に心を動かされた石川ひとみも同様の体験を持っていたと述べている。荒井由実は、フランスのシンガーソングライター、フランソワーズ・アルディのファンであり、自身の曲「私のフランソワーズ」もその影響を受けているが、「まちぶせ」はアルディの「さよならを教えて」にインスパイアを受けたとされている。

三木聖子のシングル

1976年に三木聖子のデビューシングルとして発売されたこの曲は、当時の日本の音楽シーンにおいて歌謡曲が主流だった中で新しいサウンドを求められていたことから、ユーミン（荒井由実）への曲依頼があった。編曲を担当した松任谷正隆は、歌謡曲の要素が強い「まちぶせ」に対して当初は抵抗を感じており、「メロディに大分抵抗してアレンジした」と回顧しているものの、歌詞に関してはユーミン特有の世界観が感じられると高く評価している。

収録曲は以下の通りである。

• - Side A: まちぶせ

作詞・作曲：荒井由実、編曲：松任谷正隆
2014年公開の映画『海を感じる時』では使用される。

• - Side B: 少しだけ片想い

作詞・作曲：荒井由実、編曲：瀬尾一三
こちらは荒井由実のアルバム『COBALT HOUR』の収録曲のカバーである。

石川ひとみのカバー

石川ひとみの「まちぶせ」は1981年にリリースされ、彼女の11枚目のシングルとなった。このシングルはオリコンチャートで6位を記録し、昭和56年の年間ランキングでは33位にランクインするなど、石川の代表作となった。この曲のヒットにより、石川は『NHK紅白歌合戦』への初出場を果たし、感動的なパフォーマンスとして語り継がれている。

曲の収録内容は以下の通りである。

• - まちぶせ（3分36秒）

作詞・作曲：荒井由実、編曲：松任谷正隆

• - 懐かしきリフレイン（3分32秒）

作詞：山上路夫、作曲：浜田金吾、編曲：渡辺茂樹

シングル制作の経緯

石川ひとみは成功するかどうか不安を感じていた時期に「まちぶせ」を歌うことが決まり、その曲が自分の経験と合致していたため、歌唱に対して強い思い入れを持っていた。シングル制作においては、彼女の過去の経験から曲のカバーを提案され、最終的な制作が進む中で周囲からの反対意見を乗り越え、発売に至った。

制作過程において高い評価を受けた松任谷正隆のアレンジは、元の楽曲の魅力を引き出し、石川ひとみの歌唱力を補完するものとなった。

セルフカバーと他のカバー

荒井由実は1996年にセルフカバーをリリースし、この時のアレンジは前作とは異なりレゲエ風に仕上がっている。彼女自身のバージョンは、過去の音楽活動の集大成とも言える重要な作品となった。

「まちぶせ」は他の歌手にも多くカバーされており、多彩なアプローチを受けている。特に国府田マリ子、徳永英明、ハピドルなどがそれぞれのスタイルでこの名曲をお届けしている。

結論

「まちぶせ」は、ただの楽曲に留まらず、様々なアーティストのキャリアに影響を与えつつ、今なお多くの人々の心に響く名曲である。

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