ザ・ニュースキャスター

『ザ・ニュースキャスター』は、1993年4月5日から1994年9月30日まで、テレビ朝日系列で平日昼に生放送されていた報道・情報番組です。番組は、報道色の強い内容を特徴としていましたが、厳密には『ANNニュース』のコーナーを除き、情報番組として扱われていました。

司会は、TBS『JNN報道特集』出身の蟹瀬誠一と、元フジテレビアナウンサーの田丸美寿々が務めました。ニュースコーナーは、田丸美寿々と当時テレビ朝日アナウンサーの高井正憲が担当しました。

番組は、それまでのワイドショー形式から報道番組へと転換を図り、事件や事故の報道に加え、列島各地からの生中継や、テレビ朝日ニューヨーク支局からの海外中継も積極的に取り入れました。ニューヨークからは内田忠男が出演し、CNNヘッドラインのキャスターだった小牧ユカがリポーターを務めました。

「新進気鋭のジャーナリスト（蟹瀬）と、テレビ界を代表する女性キャスター（田丸）が日本の昼を変える」というキャッチコピーを掲げ、同局の『ニュースステーション』の昼版として登場しました。番組の方針として、ワイドショー的な内容（芸能ニュースなど）は一切扱わないことを徹底しました。また、1993年当時発足したJリーグなど、サッカー関連のコーナーも放送されていました。

『ANNニュース』の直前5分間はローカル枠として設定されていましたが、テレビ朝日ではローカルニュースは放送せず、アメリカの『CNNプライムニュース』を放送していました。

1994年4月には、報道色をさらに強めるリニューアルが行われましたが、視聴率の改善には繋がりませんでした。また、前年に発生した「椿事件」におけるテレビ朝日の報道姿勢に対する各マスコミからの批判も重なり、番組は同年9月に打ち切りとなりました。

番組終了後、蟹瀬誠一は当番組終了後も、複数の報道・情報番組でキャスターや司会を務めました。特に『ステーションEYE』、『ANNスーパーJチャンネル』、『スーパーモーニング』では、通算8年6ヶ月にわたり担当しました。また、1994年10月から1995年3月にかけては、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などの大規模な事件や事故発生時に、『ANN報道特別番組』を担当しました。

一方、田丸美寿々は、本番組終了と同時に、1986年10月から続けてきたテレビ朝日との専属契約を終了しました。そして、番組終了直後の1994年10月からはTBSと新たに専属契約を結び、かつて蟹瀬誠一がレギュラー出演していた『JNN報道特集』→『報道特集NEXT』→『報道特集』のメインキャスターを、2010年9月まで16年間務めました。

番組のオープニングテーマには、クライズラー&カンパニーの「ヴィーナス・ラヴ」が使用されました。『ANNニュース』のテーマ曲にも同じ曲が使用されていましたが、ニュース番組と開始時間が異なるため、別の曲だと勘違いした視聴者も多かったようです。エンディングテーマには、五十嵐浩晃の歌う「明日また あの場所で」が採用されました。新番組開始前の番組宣伝には、富山テレビ『富山テレビニュース』やテレビ西日本『TNCニュース』のオープニングで使用されていた音楽が使用されました。

主な出演者は、メインキャスターに蟹瀬誠一と田丸美寿々、ニューヨーク中継には内田忠男と小牧ユカ、『ANNニュース』担当には高井正憲と田丸美寿々がいました。放送時間は月曜日から金曜日の11時30分から12時55分までで、一部の系列局では放送時間が異なりました。

ネット局については、フルネット局と11時45分からの飛び乗り局があり、山口県では、山口朝日放送の開局により、本番組から同時ネットとなりました。また、テレビ大分は、大分朝日放送の開局に伴い、ANNを脱退したため、この番組のネットは終了しました。前番組の終了直前に、正午枠のテレビ朝日系列外局への遅れネットが廃止され、系列外局では、本番組の放送は行われずに別の番組に切り替えられました。

山形放送、福井放送、山口放送、南海放送は『ザ・ワイド』、高知放送は『午後は○○おもいッきりテレビ』、山陰放送は『レインボー』、宮崎放送は再放送枠へ、琉球放送は『こんにちは2時』を放送していました。

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