まつ毛エクステンション

まつ毛エクステンションの詳細

まつ毛エクステンションは、化学繊維などから作られた人工のまつげを、自まつげに接着剤を使って装着する技術です。略称として「まつエク」や「まつ毛エクステ」が広く用いられています。この施術は、美容師免許を持っている者のみが行うことが法律で定められており、無資格者による施術は厳しく禁止されています。

施術の手法

エクステンションの施術は、1本の自まつげに対して1本の人工まつげを接着する緻密な作業です。施術を受ける際は、専門のサロンで行うのが一般的で、市販のつけまつげのように自分で行うことは、通常避けられます。日本において、この施術を行う技術者は「アイリスト」や「アイデザイナー」といった呼称で呼ばれています。

この技術が一般的に知名度を持つようになったのは、1980年代に韓国から伝わり、2000年前後に日本に普及したことが起源です。当初は未熟な面も多かったものの、2003年に毛先が細い人毛のような人工毛が登場したことにより、施術のレベルが格段に向上しました。現在では、エステサロンの一環として広く普及し、専門のまつ毛美容サロンも増加しています。顧客は、エクステの種類や太さ、長さを自由に選べることが一般的となりました。

人工まつ毛と接着剤

人工まつげは「アイラッシュ」として知られ、長さやカール、太さが多様に設定されており、製造国は主に中国やベトナムです。接着剤はシアノアクリレートを基にしたもので、速乾性や持続力、刺激性などが製品ごとに異なります。

健康と安全の懸念

しかし、まつ毛エクステンションには健康被害の懸念もあります。東京都の報告によれば、過去10年間に36件の危害相談があり、その背景には施術技術の低下や接着剤の成分不明等が挙げられています。また、厚生労働省の調査では、まつ毛エクステンションに関連する症状を訴える患者が1600人以上いたことも報告されています。

このような健康被害が増加する背景には、無資格で施術を行う店舗の存在があります。2014年には、京都府警が無免許で営業するサロンを摘発した事例があり、美容師免許の重要性が改めて認識されました。

無資格者による施術の問題

経営者や従業員が美容師免許を所持しないまつ毛エクステンションのサロンは、法律違反となり、罰金の対象となる場合があります。さらに、協会による講習や認定があるものの、多くは無資格の技術者が関与しているため、顧客が安全に施術を受けるためには、信頼できるサロンを選ぶことが不可欠です。

トレンドと未来

最近では、客が自分で施術を行う「セルフ方式」の流行も見られますが、これも健康被害の原因とされています。無資格者による指導や資材販売からくるリスクが、消費者にとって大きな問題となっています。適切な施術環境で受けること、また美容師免許を持つ技術者による施術を選ぶことが、今後のまつ毛エクステンションの利用において重要なポイントです。

引き続き、まつ毛エクステンションを安全に利用するためには、利用者自身がその技術の背景やリスクを理解し、信頼できる専門家による施術を選ぶことが不可欠です。

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