まひる野

『まひる野』の概要

『まひる野』は日本の短歌結社の雑誌であり、1946年3月に早稲田大学国文科の学生を中心に創刊されました。創刊者であり主宰者であった窪田空穂と発行編集人の窪田章一郎がこの雑誌の基盤を築きました。

創刊の趣旨

この結社誌の設立趣旨は、会規に明記されており、「本会は、和歌を中心に、一般文芸の創作、ならびに研究を行ふことを目的とする」とあります。創刊当初は、窪田空穂の門下生が多く参加し、同人誌としての性格が強く反映されていました。

歴史と運営

長い間、篠弘が代表としてこの雑誌を支えてきましたが、彼が2022年に逝去した後、2023年に島田修三が新しい代表として選ばれました。大下一真が発行編集人を務める『まひる野』は、短歌雑誌として新たな運営体制を築きあげています。

この結社は、生活実感を重視し、豊かな表現力を求める集団として広く会員を迎えています。会員は、作品I、作品II、作品III、まひる野集、マチエールの5つの選歌欄に分かれ、毎月最大10首の作品を投稿することができます。作品I、II、IIIの各選歌欄には、固定された選者はおらず、集団選歌の体制がとられています。その中でも、まひる野賞を受賞した会員が集まるまひる野集は篠弘が選歌を行い、若手歌人が所属するマチエールは島田修三が選歌を担当しています。新入会員はまず作品IIIに掲載され、そこからの昇格が決まります。

定例歌会と全国大会

『まひる野』では、東京をはじめ全国各地で定例の歌会が行われています。各支部では盛んに活動があり、ひろさき金曜会や青森十和田会、岩手支部、さらには名古屋支部や近畿支部などがその例です。これらの支部が協力し、年に一度の全国大会も開催されており、参加者は年間テーマについてのディスカッションや歌会を行う貴重な機会を持っています。

まひる野賞

また、『まひる野』内には新人賞が設けられており、会員から未発表の作を公募しています。応募資格は、入会後一年以上で、一年間無欠詠または欠詠二回までの基準を満たすことです。受賞者はその年の8月号で発表され、全国大会で表彰されるという流れになっています。

主な歌人

『まひる野』に多くの著名な歌人が関与してきました。創刊時の主宰である窪田空穂や発行編集人の窪田章一郎、さらに「音」や「かりん」といった雑誌を創刊した武川忠一や馬場あき子、岩田正など、さまざまな活動を通じて短歌界に大きな影響を与えた人物が集いました。

まとめ

『まひる野』は日本の短歌文化を支える重要な結社誌であり、数世代にわたり多くの歌人が集う場としての役割を果たし続けています。その活動は、新しい歌人の育成はもちろん、詩的表現の探求を行う場としても評価されています。短歌を通じた交流や創作活動が活発な本結社の今後も注目されています。

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