岩田正

岩田 正の生涯と作品

岩田 正（いわた ただし、1924年4月30日 - 2017年11月3日）は、日本を代表する歌人であり、評論家としても広く知られています。彼は、妻であり同じく歌人の馬場あき子と共に歌誌「かりん」を創刊し、短歌界に新たな風を吹き込みました。

来歴

岩田は東京世田谷の駒沢で生まれ、若い頃から短歌に強い興味を持つようになりました。国士舘中学校在学中に短歌に触れ、その魅力にはまったのです。その後、早稲田大学高等学院予科を経て、同大学文学部国文科を卒業しました。在学中の1946年には早稲田大学短歌会に入会し、同年には歌誌「まひる野」との関わりを持ち始めました。彼は窪田空穂や窪田章一郎という名高い歌人たちに師事し、短歌作りの基盤を築きました。

大学卒業後は都立高等学校の教諭として教育の場に身を投じ、その職を定年まで続けました。1977年には「まひる野」を退会し、翌1978年には馬場あき子と共に「かりん」を創刊。短歌の指導にも力を注ぎ、朝日カルチャーセンターや角川短歌通信講座で教鞭を執りました。

岩田正は、1974年に第1回短歌愛読者賞を受賞していますが、その後しばらくは短歌写作から離れ、評論活動に専念していました。しかし、1987年の秋に再び短歌を書くことを選び、以降も精力的に作詩を続けました。

主な受賞歴

彼の活躍は多くの賞に認められ、2000年には『和韻』で第28回日本歌人クラブ賞を受賞しました。続く2006年には『泡も一途』で第40回迢空賞、さらに2011年には『岩田正全歌集』にて第34回現代短歌大賞を受賞するなど、日本の短歌界における存在感を示しました。

彼の死と影響

岩田正は2017年11月3日に心不全により自宅で亡くなりました。享年93歳でした。彼の死は短歌界に多大なる影響を及ぼし、その功績が今も語り継がれています。

著作一覧

岩田は様々な著作を残しており、その中でも以下の作品が特に有名です：

• - 『靴音 岩田正歌集』（1956年）
• - 『抵抗的無抵抗の系譜 岩田正・エッセイ集』（1968年）
• - 『釈迢空』（1972年）
• - 『短歌・日本の叙情 うたうこころと歌のこころ』（1975年）
• - 『土地の思想』（1975年）
• - 『歌と生 その源への問い 岩田正評論集』（1983年）
• - 『熟年からの短歌入門』（1997年）
• - 『岩田正全歌集』（2011年）

これらの著作は、彼の独自の視点が反映されたもので、短歌の魅力や深さを多角的に探求しています。岩田正は、日本の短歌界においてその革新性と多様性を持つ重要人物として永遠に記憶されることでしょう。

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