まほろば (列車)

臨時特急「まほろば」と通勤特急「らくラクやまと」

「まほろば」は、JR西日本が大阪駅と奈良駅の間で運行する臨時特急列車です。過去に2つの系統で運行されており、それぞれ異なる経路を辿っていました。また、2024年からは通勤特急「らくラクやまと」も運行を開始しました。ここでは、それぞれの列車について詳しく解説します。

まほろば（2010年）

概要

2010年4月から6月にかけて、「奈良デスティネーションキャンペーン」の一環として、平城宮跡会場へのアクセス向上を目的に運行されました。平城遷都1300年を記念した事業に協賛し、1988年の「なら・シルクロード博覧会」のアクセス快速と同じ経路で運行されました。

当時の国鉄・JRでは、奈良県内を経由する特急列車は1967年に廃止された「あすか」以来、臨時列車としても1989年まで運行していた「しらはま」以来、21年ぶりでした。特に八尾駅 - 天[[王寺駅]]間では初の特急列車となりました。

運行概要

運行日は2010年4月1日から6月までの土曜・休日で、1日1往復でした。新大阪発奈良行きが午前中、奈良発新大阪行きが午後でした。列車番号は下りが9093M、上りが9094Mでした。車内では、往復で異なるデザインの記念乗車証が配布され、奈良行きの乗客には抽選で奈良の土産がプレゼントされました。

停車駅

新大阪駅 - 天[[王寺駅]] - 王寺駅 - 法隆寺駅 - 奈良駅

使用車両・編成

381系電車（国鉄色編成）の6両編成で、座席指定席4両と自由席2両（4月1日のみ全車指定席）でした。グリーン車は連結されていませんでした。

運賃・料金

大阪駅は通らないものの、大阪駅経由で計算され、特急料金は全区間でB特急料金が適用されました。2名または3名のグループ向けの割引特急券も設定されました。

まほろば（2019年〜）

概要

2019年8月のおおさか東線全線開業を機に、新大阪駅で接続する山陽新幹線岡山駅以西方面から奈良市への観光客誘致を目的に運行が開始されました。インバウンド需要の取り込みや、大阪・京都の観光客を奈良に分散させる狙いもありました。将来的な定期列車化や通年運行を目指しています。

運行概要

2019年11月から12月上旬の土曜・休日に、新大阪駅 - 奈良駅間をノンストップで運行しました。2020年以降も運行されましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で運休期間もありました。2023年からは大阪駅地下ホーム発着となり、法隆寺駅に停車する期間もありました。2024年秋季からは再び法隆寺駅に停車する予定です。

停車駅

奈良駅 - 法隆寺駅 - 新大阪駅 - 大阪駅

大阪駅はうめきた地下ホーム発着です。2023年秋季と2024年秋季以降以外は法隆寺駅を通過します。

使用車両・編成

287系3両編成で、全車両指定席です。グリーン車は連結されていません。2025年4月からはリニューアル車両が導入され、車内Wi-Fi、全座席コンセント、荷物スペースが設置されます。

料金

特急料金はA特急料金が適用され、通常期の指定席特急料金は1,730円です。インターネット予約サービスe5489を利用すると、指定席特急料金は1,200円になります。2023年春季には「まほろばチケットレス特急券」が発売され、指定席特急料金は860円でした。

らくラクやまと（2024年〜）

概要

2024年3月16日のダイヤ改正で運行を開始した通勤特急です。奈良県内を運行する定期特急列車としては、1967年廃止の「あすか」以来、約57年ぶりとなります。アーバンネットワーク内で完結する特急列車でもあります。

運行概要

大阪環状線直通の区間快速や、おおさか東線経由の直通快速に設定されている有料座席「快速 うれしート」の設定列車が拡大され、大和路線における着席保証サービスが強化されました。列車番号は下りが1091M、上りが1092Mです。

停車駅

奈良駅 - 郡山駅 - 大和小泉駅 - 法隆寺駅 - 王寺駅 - 久宝寺駅 - 天[[王寺駅]] - 大阪駅 - 新大阪駅

大阪駅はうめきた地下ホーム発着です。大和路線内の停車駅は、大和路快速などの快速列車から新今宮駅を除いたものと同じです。2025年3月15日からは柏原駅と八尾駅にも停車します。

使用車両・編成

「まほろば」と同じく287系3両編成で、全車両指定席です。グリーン車は連結されていません。

料金

インターネット予約サービス「J-WESTチケットレス」が利用できます。これは、e5489専用で、スマートフォンで予約・決済を行う方式です。

まとめ

「まほろば」は、2010年の奈良デスティネーションキャンペーンを機に登場し、その後、観光需要に対応するために2019年から運行を再開しました。そして、「らくラクやまと」は、通勤需要に応えるために定期特急として登場しました。これらの列車は、奈良へのアクセス向上や、沿線地域の活性化に貢献しています。

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