みずとり型駆潜艇

みずとり型駆潜艇

みずとり型駆潜艇は、海上自衛隊が運用していた甲型駆潜艇の艦級で、1958年から1964年にかけて8隻が建造されました。この艦は、当時の防衛ニーズに応えるために設計され、前任者の実績を踏まえた改良が施されています。

設計の特徴

本型の船体設計は、1年前に建造されたうみたか型とほぼ同様であり、その設計プロセスが合理化されています。基準排水量は、先行して建造されたかり型の1.4倍となり、大型化が図られました。また、艦首部や水線下の板厚が増加し、その一方で、全体の薄板構造は保持されています。

荒天時の連絡が困難であった前任者の設計の欠点を改善するため、上部構造物を一体化したことで艦内の通行が容易になりました。居住性も向上し、冷房が戦闘区画や士官室に導入されて居住スペースが広がりました。

艦橋にはウィングが設けられ、計画番号K103Aに基づく設計が進められています。設計上の配慮として、重心を低下させる目的で甲板の板厚が見直されるなど、様々な改善が行われました。

装備の概要

みずとり型は、対潜 Warfare（対抗艦）に特化した兵装を整えています。ソナーとしては、29年度艇と同じくSQS-11Aが装備され、レーダーには国産のOPS-16が使用されました。電子戦に対応するための電波探知装置が搭載された他、艦内での防衛体制を確保するための高角機銃システムも整備されています。

高角機銃システムは、前甲板にMk.1 40mm連装機銃を設置し、効率的な射撃指揮が可能です。また、艦尾には54式爆雷投下軌条が2基配置され、対潜装備としての役割が強化されています。特に、36年度以降の艦艇には新型の短魚雷発射管が搭載され、この装備が以降の警備艦艇における標準となりました。

運用と実績

運用面では、みずとり型の艦艇は多数の地方隊に配属され、重要な護衛任務を果たしました。具体的には、舞鶴地方隊の第4駆潜隊に所属した艦艇や、佐世保地方隊、第3駆潜隊に編成された艦艇がありました。

特に「おおとり」号は1967年にイギリス製のフィンスタビライザーを装備し、運用試験を実施。これが評価され、後の大型艦における標準装備となりました。
1981年から1987年にかけて、特務艇に変更されることとなりましたが、「ひよどり」号は特別な改装を受け、迎賓艇へと転用されました。

登場作品

この艦は、さまざまな作品に登場しています。例えば、映画『東京湾にソ連潜を追え』では「しらとり」が参画し、哨戒任務中に国籍不明の潜水艦を追跡し攻撃を行うシーンが描かれています。

このように、みずとり型駆潜艇は設計や装備において革新をもたらした艦艇であり、海上自衛隊の運用において重要な役割を果たしました。

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