みずへび座

みずへび座について

みずへび座（Hydrus）は、現代の88の星座の中でも新しいものであり、南の天に位置しています。この星座は、16世紀末に考案されたもので、主に水に関連した生き物、ヘビをモチーフとしています。特に、天の南極近くに位置するため、他の星座と見つけやすいといえます。

主な恒星について

みずへび座は3等星を3つ持つ珍しい星座です。一般に南の星座は明るい星が少ないのですが、この星座の明るい恒星は、以下のように分類されます。

• - α星：見かけの明るさ2.84等の橙色の巨星で、みずへび座では2番目に明るい恒星です。この星は英語では「Head of Hydrus」とも呼ばれ、古代には南極星と呼ばれたこともあります。
• - β星：見かけの明るさ2.79等のG型主系列星で、最も明るい星です。この星は、太陽よりも古く誕生から約67億年経過したとされています。
• - γ星：見かけの明るさ3.26等の星です。
• - HD 10180：7.32等の明るさを持ち、6つ以上の太陽系外惑星を持つと推測されています。

残念ながら、2022年4月時点でどの恒星も国際天文学連合によって固有名が認証されていません。

由来と歴史

この星座は、1603年にヨハン・バイエルが作成した天体星図によって広く知られることになりました。しかし、実際は1598年にオランダの天文学者ペトルス・プランシウスが、「Hydrus」というラテン名で星座を設定したことに始まります。この名は、男性形の水蛇を意味しており、一方で「Hydra」は雌の水蛇を指します。

また、18世紀にはフランスの天文学者ラカイユが、これらの名称を用いて星座に性別を与えることを示し、「雄の水蛇」と「雌の水蛇」という表現が生まれました。

星座の形状

『ウラノメトリア』の中で、みずへび座はアケルナルの南東の空に位置し、他の南の星座と絡まりながら描かれています。ラカイユによって星座形状にはいくつかの変更が加えられ、その後フランシス・ベイリーなどによって最終的に形が定められました。1922年には国際天文学連合（IAU）によって現在の88の星座の1つとして公式に承認されました。

中国における言及

中国では、みずへび座の領域は歴代王朝からはほとんど観測されず、古い天文書にその存在は記されていませんでした。初めて星々が記載されたのは明代末期の天文書『崇禎暦書』です。ここで新しい星座は、南天の新星座として取り入れられました。さらに、清代には星座を分解し「蛇尾」「蛇腹」「蛇頭」と名付けられました。

日本における呼称

日本では、みずへび座は歴史的に「小海蛇」と訳されていましたが、昭和19年に天文学用語改訂の際に「水蛇」という名称に改められ、現在は「みずへび」として広く知られるようになりました。これにより、「みずへび」は天文学界での定着した呼称となり、現代の中国でも同様の名前が使われています。

まとめ

みずへび座は、明るい恒星を持つ南天の星座で、新しい星座に関連する独自の歴史があります。神話や伝承がないことが特徴で、観察者にとってはその新しさとBright starsによって魅力的な存在です。

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