みずほ基地

みずほ基地の概要

みずほ基地は、南極大陸に位置する日本の南極観測基地で、緯度70度41分53秒、経度44度19分54秒にあります。昭和基地から南東へ約270キロメートルの距離にあり、標高は2230メートルに達します。この周辺地域は「みずほ高原」として知られ、その名は基地名の由来ともなっています。

歴史

1970年7月21日、みずほ基地は第11次越冬隊の手によって設置されました。建設当初は「みずほ前進基地」と呼ばれていましたが、その後名称が変更され、1978年には現在の「みずほ基地」が定着しました。この基地へのアクセスは雪上車のみで、厳しい環境下でも独自の観測が行われています。

基地設営は1970年6月にコルゲート棟の建設から始まり、翌1971年に居住棟やトレンチ棟の整備が進められました。1971年に出発する第13次隊から1985年の第27次隊まで、この施設が使用されました。飲み水や入浴用の水はディーゼル発電機の排熱を利用し、周囲の雪を溶かして確保されていました。

第13次隊での整備では倉庫、便所、食糧庫が設けられ、第15次隊では観測棟の追加も行われましたが、1975年には火災が発生し一部の建物が失われました。1976年から1986年にかけての観測で、8月の最寒月の平均気温は−41℃、1月の最暖月は−18℃、年平均は−32.3℃となり、昭和基地よりも20℃程度寒冷な地域であることが確認されています。

基地内での越冬は第17次隊から始まり、第20次隊では30メートルの観測タワーが設置されました。このタワーは気水圏部門における観測を重視したものであり、観測データの研究が進められました。しかし1986年10月12日には第27次越冬隊が基地を去り、その後は無人化が進みました。

現在の状況

みずほ基地の現在の役割は、観測基地としての機能は停止しているものの、昭和基地とドームふじ基地間の中継基地としての使用が続いています。基本的には降雪によって基地全体が埋まっており、自然環境にさらされ続けています。

みずほ基地は、南極という極寒の地での越冬と研究活動の歴史を持ち、多くの観測データを提供してきた重要な拠点です。日本にとっては南極観測の中で貴重な役割を果たし、その気象や環境に関する知見の蓄積は科学界においても非常に意義深いものがあります。

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