みず木町

みず木町の概要

みず木町（みずきちょう）は神奈川県横浜市金沢区に存在する町名であり、特に「丁目」の設定がない、単独の町名です。この地域は住居表示が実施されていないため、居住者はゼロという特異な町でもあります。ほぼ全域が山林や斎場に覆われたこの町は、静寂に包まれた独特の雰囲気を持ち続けています。

歴史的背景

みず木町の歴史は昭和50年代にさかのぼります。当時、横浜市内には市営の斎場が久保山と戸塚、民間の西寺尾の3つのみで、斎場の整備は遅々として進んでいませんでした。市の南部では人口増加が予想されていたため、1984年に横浜市は新たな南部斎場の建設計画を発表しました。

この斎場は、釜利谷町にある横浜横須賀道路の朝比奈インターチェンジ近くに設置される予定で、1987年度の操業を見込んでいました。しかしその計画は、新興住宅地に住む住民からの強い反対に直面しました。特に用地選定に問題があるとして多くの住民が抗議し、多数回にわたる市と自治会との話し合いが行われました。その結果、1989年に和解が成立し、斎場の敷地面積の1/4を開発造成地に抑え、周辺住宅地の景観に適した形での配置が検討されました。

1991年1月21日、釜利谷町の一部を分離して新しい町名「みず木町」が設定されました。町名はこの地に自生しているミズキに由来しており、自然環境を大切にし緑豊かな町になることが願われました。南部斎場は1991年9月に完成し、地域における重要な施設として機能を果たしています。

地理的特徴

みず木町は金沢区の南西部に位置し、横横道路と横浜自然観察の森に挟まれた形で、やや南北に長い構造を持っています。北側や東側は釜利谷町、南東は朝比奈町、南西は鎌倉市の十二所、西側は栄区の上郷町と接しています。町の中心には、県道原宿六ツ浦線や県道金沢鎌倉線が通っており、朝比奈交差点から南部斎場へ向かう主要なアプローチ道路が延びています。

最寄りの交通機関としては、金沢八景駅と大船駅、上郷ネオポリスを結ぶ神奈川中央交通バスの「隧道東口」や、金沢八景駅と鎌倉駅を結ぶ京浜急行バスの「相武隧道」停留所があります。これらの交通手段により、周辺地域とのアクセスが整備されています。

事業活動

2021年現在、みず木町における経済センサス調査の結果では、事業所数や従業員数の詳細が明らかになっています。町の経済活動は非常に限定的であり、主に周辺地域の影響を受けています。

その他の情報

郵便番号は236-0036で、集配局は横浜金沢郵便局が担っています。また、町内の警察の管轄区域も定められており、地域の安全と治安を保障する体制が整えられています。みず木町は、自然環境と文化が調和した独特の町であり、横浜市の静かな一面を享受できる場所です。

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