みなみの海をすくえ!

それいけ！アンパンマン みなみの海をすくえ！：詳細解説

番組概要

1990年8月26日、日本テレビ系列のチャリティ番組『24時間テレビ13』において放送された『それいけ！アンパンマン』のテレビアニメスペシャル作品です。南の海の環境汚染というテーマを扱い、アンパンマンとその仲間たちが、汚染された海を浄化するため奮闘する物語が展開します。

この作品は『24時間テレビ』枠でのアンパンマン番組としては唯一の作品であり、同時に、テレビアニメスペシャルシリーズとしても最後の作品となりました。通常のテレビシリーズと同様にローカルセールス枠で放送されたため、一部地域では放送時期が大きくずれ込んだケースもあります。

特筆すべき点として、本作で登場した設定やキャラクターの一部は、約10年後公開された劇場版第12作『それいけ！アンパンマン 人魚姫のなみだ』で再利用されています。ただし、設定やキャラクターデザインは、劇場版公開にあたって修正が加えられています。


あらすじ

ある日、油まみれの貝殻を抱えたカモメが、パン工場にやってきます。その貝殻の中には、油で汚れてしまった人魚姫、サニー姫が閉じ込められていました。サニー姫は、故郷である南の海が油で汚染され、海の生き物たちが苦しんでいることをアンパンマンに訴えます。

アンパンマンたちは、サニー姫の窮状を救うべく、仲間たちと共に南の海へと旅立ちます。そこで出会うのは、海の汚れを浄化する不思議な力を持つ巻貝のおじいさん、うずまきまん、そして、巨大な海の生き物ヌラ、海のギャングであるおばけいかなど、個性豊かなキャラクターたちです。

アンパンマンたちは、様々な困難を乗り越えながら、汚染された海を浄化しようとしますが、ばいきんまんとそのロボット、ゴロンゴロが、彼らの邪魔をしようと暗躍します。果たして、アンパンマンたちは南の海を救うことができるのでしょうか？


登場人物

レギュラーキャラクター: アンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさん、バタコさん、チーズ、しょくぱんまん、カレーパンマン、ドキンちゃん、どんぶりまんトリオ（てんどんまん、カツドンマン、かまめしどん）など、おなじみのキャラクターたちが多数登場します。

ゲストキャラクター: 本作では、個性豊かなゲストキャラクターたちが物語を彩ります。

サニー姫: 美しい南の海を守る人魚姫。真珠のイヤリングを使って海の浄化を行うことができます。
うずまきまん: サニー姫の側近である巻貝のおじいさん。グルグル棒を使って海の汚れを吸い取ることができますが、使い方を間違えると海を汚染してしまう危険性も秘めています。
ヌラ: 海の汚れから海を守る、巨大な海獣。アンパンマンたちに水中用ヘルメットを提供します。
カモメ: 油で弱り切ったサニー姫をパン工場へ運んだカモメ。
バナナマン: バナナ島に住む、バナナの顔をした少年。バナナの皮を使って戦う、ユニークなキャラクターです。
おばけいか: 海のギャングである巨大なダイオウイカ。魚たちを食い荒らしており、ヌラとは敵対関係にあります。
シャボンダマン: 油まみれのサニー姫を綺麗にした後、泡となって消えていきます。彼はサニー姫の身体に付着した油が人工的なものであることを突き止めました。
その他にも、とうだいまん、くじらのクータン、おそうじまん、まいごのまいまいといったキャラクターが登場します。


スタッフ

企画から制作に至るまで、多くのスタッフが関わっています。監督は大賀俊二氏、脚本は翁妙子氏、音楽はいずみたく氏など、豪華な顔ぶれが勢ぞろいしました。


音楽

主題歌は『アンパンマンのマーチ』と『勇気りんりん』。挿入歌として「バナナダンス」「いくぞ！ばいきんまん」「まわれうずまき」「うつくしい海」「海はふるさと」など、多くの楽曲が制作されました。


総括

『それいけ！アンパンマン みなみの海をすくえ！』は、環境問題をテーマにした、心温まるアンパンマンの物語です。子供から大人まで楽しめる、見応えのある作品となっています。24時間テレビという特別な枠で放送された、貴重なアンパンマン作品として、今も多くのファンに愛され続けています。

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