むろと (敷設艦・2代)

むろと (JS Muroto, ARC-483)

むろとは、海上自衛隊が運用している敷設艦であり、艦名は室戸岬から取られています。この艦は、旧海軍で使用された給炭艦「室戸」および先代の「むろと」(ARC-482) の後継艦として、3代目にあたります。特筆すべきは、同型艦が存在しない点です。

概要

2代目「むろと」は、先代の艦が老朽化したことを受けて、平成21年度の計画に基づいて建造されました。この艦の主な任務は、基地、港湾、戦略海域などへの水中聴音監視装置の敷設であり、これにより海上の安全を確保することが期待されています。具体的な装置の詳細は公表されていませんが、ケーブル敷設装置や海洋調査用の機器を装備しています。

また、円滑にこれらの機器を運用するため、バウスラスターとアジマススラスターという推進装置が船体に装備されています。この艦は、船価を抑える目的から商船構造を採用しており、敷設艦としての必要最低限の能力を発揮できるように設計されています。その結果、建造費用は約284億円に収まっています。

なお、先代の「むろと」は本艦の就役を待たずして、2012年4月4日に退役しています。

艦歴

「むろとは」、平成21年度計画の一環として、4,900トン型敷設艦として三菱重工業の下関造船所で建造されました。2011年9月7日に起工し、2012年7月5日に進水、11月20日に公試が開始され、2013年3月15日に就役しました。この艦は、海洋業務群に直轄艦として編入され、定期的な訓練を行いました。定係港は呉です。

艦は、グアム島方面での派遣訓練に多く参加しており、初回の訓練は2013年9月7日から10月30日までの間に行われました。その後も、2014年から2020年まで毎年、アメリカ海軍と協力して破壊訓練などを実施してきました。これらの訓練は、海上自衛隊としての能力を高め、連携を強化することに寄与しています。

具体的には、2014年の第34回、2015年の第35回派遣訓練、さらにはその後も続く訓練において、アメリカ海軍との共同作業を通じて、敷設技術の向上や運用能力の強化が図られました。特に、2015年から2020年までの間は、毎年グアム島において行われた訓練で自衛隊の運用能力が向上し、同時に国際的な連携の重要性も再認識されました。

このように、むろとは海上自衛隊において重要な役割を果たしており、その運用実績は今後の海上活動にも大きな影響を与えることでしょう。

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