めぐみと若い仲間たち

麻丘めぐみが1973年8月25日にビクター音楽産業（現在のビクターエンタテインメント）からリリースした通算4作目となるスタジオ・アルバムです。オリジナル盤はLPレコード（規格品番：SJX-142）として発売されました。

本作は、同年7月にリリースされ大ヒットを記録したシングル「わたしの彼は左きき」を収録しており、その勢いを引き継ぐ形で制作されました。収録曲は、先行シングル関連曲を除き、すべてこのアルバムのために書き下ろされたオリジナルの新曲で構成されています。

特に注目すべきは、その制作スタイルにあります。アルバムタイトルが示す通り、「若い仲間たち」との協力を意識した企画が盛り込まれました。「わたしの彼は左きき」以外のすべての楽曲の歌詞は、一般からの公募によって集められた作品がもとになっています。これらの公募作品に、当時の人気作詞家である千家和也が補作詞を施し、楽曲として完成させました。

さらに、この作詞公募企画では、歌詞が採用された12名を麻丘めぐみと共に南国のグアム島へ招待するという、当時としては画期的で非常に大規模なキャンペーンが実施されました。この特別な体験旅行の模様は、当時のスポニチ芸能ニュースで大きく報道され、アルバムへの注目度を一層高めることになりました。このグアム企画に関する貴重な映像は、後年となる2009年3月25日に発売された麻丘めぐみのCD-BOX『Premium BOX 〜オリジナル・アルバム・コレクション〜』に付属する特典DVDに、「グアム島の隊長 麻丘めぐみ」というタイトルで収録され、現代でもその一端を知ることができます。

メディアの変遷に伴い、本作もいくつかの形態で再リリースされています。初めてCD化されたのは1991年4月21日のことで、この際は前作にあたるアルバム『めぐみの休日』（1973年5月25日リリース）とカップリングされ、『定番コレクション2in One 「めぐみの休日 + めぐみと若い仲間たち」』として発売されました。その後、2002年12月15日にも同じ2in1の形態で再リリースされています。

そして、麻丘めぐみの芸能生活50周年を迎えた2009年3月25日には、ファン待望の単独での復刻が実現しました。この2009年盤は、リマスタリングによる高音質化が図られ、アルバムの雰囲気を再現した紙ジャケット仕様でリリースされました。タイトルは『めぐみと若い仲間たち +4』と改められ、オリジナルLPには収録されていなかったシングル曲やそのB面曲、さらにオリジナルのカラオケ音源を含む合計4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。具体的には、シングル「アルプスの少女」（1973年10月リリース）とそのB面曲「ヘイ・ミスター」、そして「わたしの彼は左きき」と「アルプスの少女」のオリジナル・カラオケが追加されています。

なお、この2009年盤CDのトラックリストでは、オリジナル収録曲の最後に位置する「明日になれば」（13曲目）と、ボーナス・トラックとして最初に追加された「アルプスの少女」（14曲目）の間に、約10秒間の無音部分（ブランク・タイム）が挿入されているというユニークな仕様が見られます。これは、オリジナルLPのA面とB面を区切るブレイクタイムを意識した演出であると考えられます。

このように、『めぐみと若い仲間たち』は、当時のヒット曲を含む充実した内容に加え、一般公募詞とそれに関連した大規模なプロモーション企画によって制作背景においても特異性を持つアルバムであり、後のメディア展開においても様々な形で再評価されている、麻丘めぐみのキャリアにおける重要な作品の一つです。

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