もえぎ町 (苫小牧市)

北海道苫小牧市に位置する「もえぎ町」（もえぎちょう）は、「もえぎ町一丁目」および「もえぎ町二丁目」からなる行政上の町名です。この地域では、既に住居表示が導入されています。

地理的には、苫小牧市の西方に広がるもえぎ町は、東側で明徳町と、南側で宮前町とそれぞれ接しています。西側と北側にかけては、かつてこの町が分離した基となる字錦岡と隣接しており、さらに西側では北星町とも境界をなしています。

もえぎ町が現在の姿となるまでには、この一帯で進められた大規模な区画整理事業が深く関わっています。かつて「錦岡鉄北第一地区」と呼ばれた地域は、この事業によって計画的な都市基盤が整備され、住宅地としての急速な発展を遂げました。これに伴い人口も著しく増加したため、区画整理の完了に合わせて住居表示が実施されることとなりました。この際、地域を東西に横断する北海道道781号苫小牧環状線を境にして、南側と北側それぞれが三つの新しい町に分割され、合計六つの町が新設されることになりました。

もえぎ町は、1993年（平成5年）11月1日にこの住居表示が実施された際に誕生しました。このとき、字錦岡から正式に分離し、美原町、のぞみ町、宮前町、明徳町、青雲町といった他の五つの新しい町と同時に設置されました。その後、この地区の区画整理事業は、1994年（平成6年）1月15日に完了を迎えました。

「もえぎ町」という町名は、この地が開発された際の背景に由来しています。地域を造成したのが日本勤労者住宅協会であり、当時「グリーンタウン」という愛称で呼ばれていたことが、新町名として採用された理由とされています。緑豊かな住宅地としてのイメージが反映された名称と言えるでしょう。

もえぎ町の世帯数および人口については、2025年（令和7年）4月末現在の統計情報が存在します。また、公立の小・中学校に通学する場合の学区についても、市によって定められた区域が存在します。

交通網として、主要な幹線道路である北海道道781号苫小牧環状線が町内を通過しています。公共交通としては、道南バスによる市内路線バスが運行されています。ただし、かつて町内に存在した「もえぎ町2丁目」バス停留所は、2024年3月31日をもって廃止されました。鉄道を利用する場合、最も近い駅は隣接する宮前町に位置するJR室蘭本線の錦岡駅となります。

郵便サービスに関しては、もえぎ町の郵便番号は059-1274であり、集配業務は苫小牧郵便局が担当しています。地域の治安維持については、管轄する警察署および交番または派出所が担当区域を定めて活動しています。

本項の記述にあたっては、『苫小牧市史 追補編』（苫小牧市、2001年3月刊行）などの資料が参照されています。

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