日本勤労者住宅協会

日本勤労者住宅協会について

日本勤労者住宅協会、略称「勤住協」は、勤労者の住宅問題を解決することを目的に1967年に設立された法人です。設立当初は国土交通省の所管する特殊法人でしたが、2003年には特別民間法人に転換されました。本部は東京都文京区本郷に位置しています。また、協会の前身は1958年に全国の労働金庫からの寄付により設立された「日本労働者住宅協会」に遡ります。

協会の活動は、ILO（国際労働機関）の勧告第115号に基づいています。この勧告は、政府が住宅建設を進め、労働者やその家族に適切な住環境を提供することを求めるもので、賃貸や購入が労働者の収入で賄えるような政策の強化を促すものです。このため、協会は営利団体や地方自治体から独立した形で活動することが求められ、特殊法人としての地位を得ることとなりました。

事業の展開と課題

2006年にはバブル崩壊の影響で地価が下落し、開発事業が停滞する中で、民事再生手続きの申立てが行われました。しかし、仙台市の「虹の杜団地」の事業者が見つからず、2008年には民事再生を断念し、負債総額約180億円で破産手続きが開始されました。2010年には破産が廃止されましたが、法人自体は存続し続けています。

事業内容と住宅供給

勤住協は、住宅分譲事業を行うために、日本の13の労働金庫からの民間資金や、住宅金融公庫、雇用・能力開発機構、年金資金運用基金といった公的資金を活用しています。そのほか、日本各地の42の福祉団体と連携し、造成や分譲業務を委託しています。このようにして、約11万3,000戸もの住宅を供給してきました。

近年の取り組みでは、数量の確保だけでなく、高齢化対策やエコロジーに配慮した計画が進められています。1995年には東京都小金井市に日本初の環境共生型集合住宅を建設し、再生可能エネルギーの導入や、高齢者・障害者に対応した居住スペースを設けました。

特殊法人としての規制

日本勤労者住宅協会法第40条に基づき、協会は宅地建物取引業法や不動産特定共同事業法の適用を受けていません。これにより、一定の自由度を持ちながらも、労働者に向けた住居政策を展開しています。

主要な事業団地

勤住協によって開発された主要な住宅団地には、以下のようなものがあります。

• - あいの里（北海道札幌市）
• - 虹の丘（宮城県仙台市）
• - コーププローラ津田沼（千葉県船橋市）
• - ベイシティ浦安（千葉県浦安市）
• - 新ゆりグリーンタウン（神奈川県川崎市）
• - レインボータウン桜花台（三重県四日市市）
• - ガーデンシティ・コープ金剛東（大阪府富田林市）
• - 桂坂・くつかけ団地（京都府京都市）
• - 矢口が丘（広島県広島市）
• - にじが丘団地（大分県大分市）

このように、日本勤労者住宅協会は労働者のための住環境づくりに貢献する法人として、過去の実績と現在の取組によってその役割を果たしています。

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