もしあなただったら

イット・ハッド・トゥ・ビー・ユー

「イット・ハッド・トゥ・ビー・ユー（It Had to Be You）」は、アイシャム・ジョーンズによって作曲され、ガス・カーンが歌詞を手掛けたポピュラー音楽の名曲です。この楽曲は1924年に初めて発表され、その後様々な映画で使用され、また多くのアーティストによってカバーされるなど、長い歴史を持っています。

映画での使用

この曲は、黒白映画から近代の作品まで、数多くの映画で取り上げられてきました。1936年の短編映画『Melody in May』では、ルース・エッティングがこの曲を歌いました。続いて、1939年の映画『彼奴は顔役だ！』ではプリシラ・レインが歌い、1944年の『愛の終焉（Mr. Skeffington）』や1947年の『It Had to Be You』では、ジンジャー・ロジャースとコーネル・ワイルドが歌唱しています。特に、1951年の映画『I'll See You in My Dreams』では、ガス・カーンとその妻をモデルにした設定の中で、ダニー・トーマスが歌いました。

この曲は、1942年の『カサブランカ』や1977年の『アニー・ホール』でも使用され、2002年の映画『でっかく生きる（Living in a Big Way）』では、ジーン・ケリーとマリー・マクドナルドが踊りながら演じるシーンもありました。また、1989年の映画『恋人たちの予感』では、ハリー・コニック・ジュニアのカバーが話題となり、シングル化されアメリカの映画主題歌チャートで60位にランクインしました。

おもな録音

発表当初、この曲は様々なアーティストによって録音されました。1924年3月20日にサム・ラニンとそのオーケストラがOkehレコードから録音し、その後も同年に多数のアーティストが続きました。これには、ポール・ホワイトマンやクリフ・エドワーズ、カリフォルニア・ランブラーズなどが含まれます。

後の時代も、多くのアーティストがこの曲をカバーしました。1944年にはディック・ヘイムズとヘレン・フォレストのバージョンがビルボードのベストセラー・チャートで最高4位を記録しました。さらに、アンディ・ウィリアムスは1965年にリリースしたアルバム『Andy Williams' Dear Heart』にこの曲を収め、ハリー・コニック・ジュニアも1989年にこの曲をシングルとして再録音し、ファンに支持されました。

また、ロッド・スチュワートは2002年のアルバム『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック』で、この曲を現代的なアレンジで収録しました。さらには、松田聖子が2019年にリリースしたアルバム『SEIKO JAZZ 2』においても、ジャズアレンジの形でこの名曲をカバーしました。

このように、「イット・ハッド・トゥ・ビー・ユー」は、長い時間を経ても色褪せない魅力を持ち続け、多くの人々に愛される楽曲となっています。

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