もりもと (菓子製造)

株式会社もりもと

北海道千歳市に本社を構える株式会社もりもとは、地元北海道の豊かな恵みを活かした菓子やパンを製造・販売する企業です。その歴史は、創業者である森本吉雄氏が樺太からの引き揚げ後、食糧難の中、中華まんじゅうなどの行商を始めた1947年（昭和22年）に遡ります。

沿革と事業の拡大

1949年（昭和24年）、千歳市東雲町にてパンの委託加工・卸売業者として正式に開業したのが、もりもとの事業の出発点です。その後、1956年（昭和31年）には現在の千代田町に拠点を移し、自社での和菓子や各種パンの製造販売を開始。徐々に事業の幅を広げていきました。1960年（昭和35年）には有限会社「森もと」として組織を改め、1993年（平成5年）には株式会社に改組しています。

パン製造で培った技術を活かしつつ、和洋菓子の製造・販売にも注力するようになり、道内主要都市である札幌へも店舗を展開。また、新千歳空港が近隣にあるという地理的な利点を生かし、航空機を利用する旅行客向けの土産菓子開発にも力を入れることで、事業をさらに拡大させていきました。

素材へのこだわりと商品開発

もりもとの製品における最大の特徴の一つが、北海道産の厳選された素材を積極的に活用している点です。特に、その代表的な素材として知られるのがハスカップです。ウェブサイトのアドレスにも使用されていることからも、この素材へのこだわりがうかがえます。ハスカップを用いた菓子はもりもとの代名詞ともなっており、中でも1984年（昭和59年）に全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞した「ハスカップジュエリー」は、長年にわたり多くの人々に愛されるロングセラー商品となっています。

地域資源を活用した商品開発にも積極的です。北海道立総合研究機構と連携し、小豆の新品種「きたろまん」を使った和菓子を生み出したほか、ホクレン農業協同組合連合会との共同開発では、北海道産の小麦や豆、さらには12種類以上の果実を使ったクッキー、どら焼き、ゼリーといった多様なスイーツやパンを開発・提供しています。これらの取り組みは、地元の生産者や研究機関との連携を深め、北海道ならではの価値を創造することを目指しています。

主な商品

もりもとでは、パン、洋菓子、和菓子と幅広い製品を取り扱っています。代表的な商品には以下のようなものがあります。

洋菓子: ハスカップジュエリー（プレミアムブラック、ホワイトバージョンも含む）、雪鶴（雪鶴プレミアム）、ゆきむしスフレ、太陽いっぱいゼリーシリーズ、もりもとクッキー、北の散歩道、北海道バターサブレ北ふく郎、時のバウムクーヘン、各種ケーキなど。
和菓子: 千歳うまれのたまごまんじゅう、支笏の伏流水仕込みどら焼き、なまどら焼き、くるみ餅、もりもと五三かすていらなど。
* パン: もりもと食パン、はかり売りパン、北海道産小麦パン、贅沢生クリーム角食など。

これらの商品は、北海道内の各店舗のほか、オンラインショップでも購入が可能です。

事業所と店舗ネットワーク

本社を千歳市千代田町に置くもりもとは、製造拠点として千歳臨空工業団地に北のアトリエ第一工場（1986年完成）と第二工場（2003年完成）を構えています。販売ネットワークは北海道内が中心であり、本社のある千歳をはじめ、恵庭、苫小牧、室蘭、札幌、江別、小樽、旭川、滝川といった主要都市に多数の直営店舗を展開しています。新千歳空港国内線ターミナルビル内にも店舗を設けており、道外からの利用者も気軽に立ち寄れるようになっています。

受賞・評価

もりもとは、製品の品質だけでなく、パッケージデザインや広告においても高い評価を得ています。全国菓子大博覧会での「ハスカップジュエリー」の内閣総理大臣賞受賞をはじめ、北海道新聞広告賞、北海道広告協会賞、Sapporo ADCコンペティション・アワード、北海道グッドデザインコンペティションなど、数々の賞を受賞しています。これらの受賞歴は、もりもとのブランドイメージ向上と製品の認知度向上に大きく貢献しています。また、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されるなど、企業としての取り組みも評価されています。

創業から現在に至るまで、もりもとは北海道の素材と向き合い、地域に根ざした菓子づくりを続けています。その歴史と伝統を大切にしながらも、常に新しい商品開発や地域との連携を模索し、北海道の食文化を伝える役割を担っています。

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