やさしい悪魔
「やさしい悪魔」は、日本の人気アイドルグループ、キャンディーズが1977年3月1日にリリースした、通算13枚目のシングル曲です。
この楽曲は、それまでのキャンディーズが持っていた清純でかわいらしいアイドルというイメージを大きく変える、グループにとって重要なターニングポイントとなりました。
当時の「大人化計画」という方向性のもと、ビジュアル面でも変革が図られました。衣装デザインは歌手のアン・ルイスが手掛け、これまでにない大胆なスタイルを採用。さらに、楽曲の世界観を表現するために考案された振り付けには、悪魔の角を模したような特徴的な「デビルサイン」が取り入れられ、その斬新さが大きな話題を呼びました。
楽曲の制作は、作詞を喜多條忠、作曲を吉田拓郎が担当しました。吉田拓郎は自身の持ち味である「拓郎節」を基盤としつつも、1960年代アメリカンポップスやリズム・アンド・ブルースを彷彿とさせるメロディを展開。提供曲の中でも特に気に入っている一曲として、「文句なし」とその完成度を高く評価しています。
「やさしい悪魔」は、その音楽性の高さから、キャンディーズファンの間で最も評価の高い楽曲の一つとして挙げられることが多くあります。熱心なファンである石破茂氏も「音楽的に完成度が一番高い名曲」と評し、キャンディーズ自身も後に「私たちの代表曲」と語っています。商業的にも成功を収め、発売当時はキャンディーズにとって過去最大のヒットを記録。解散コンサート時点での累計売上は、52万枚（CBS・ソニー調べ）に達しました。
この曲は音域が広く、歌唱力の高いキャンディーズにとっても難しい楽曲として知られています。レコーディング時にはメンバーも苦戦し、「歌えません」と音を上げたというエピソードが伝えられています。この難易度については、キャンディーズファンだった吉田拓郎が、直接歌唱指導をしたいがために難しくしたという噂も流れました。
楽曲の歌唱構成は、サビとエンディングで3声和音、それ以外はソロ、ユニゾン、2声和音と多彩です。また、一般的なシングル曲では珍しく、冒頭部分に和音が含まれている点が特徴です（他に「あなたに夢中」のみ該当）。テレビ番組などで披露される際は、当初レコード通りに和音で歌われていましたが、後にユニゾンに置き換えられることが多くなりました。
レコーディングには吉田拓郎が立ち会い、キャンディーズに付きっ切りで歌唱指導を行いました。自らも試行錯誤を重ねて楽曲を作り上げていった様子がうかがえます。印象的なイントロの靴音は、吉田拓郎が様々な靴の音を試し、スタジオに同席していたプロデューサーのブーツの音を採用して制作されたものです。吉田拓郎はコーラスにも参加しています。
本楽曲で、キャンディーズは1977年末の『第28回NHK紅白歌合戦』に3年連続3回目の出場を果たしましたが、これがグループとしての最後の紅白出演となりました（後にメンバーはそれぞれ別の形で紅白に出場しています）。また、同時収録の「あなたのイエスタデイ」と共に、シングル発売からほどなく、1977年4月にリリースされたアルバム『キャンディーズ1+1⁄2〜やさしい悪魔〜』に収録されました。作曲者の吉田拓郎自身も、1977年4月25日に発表したカバーアルバム『ぷらいべえと』の中でこの曲をセルフカバーしています。同アルバムのジャケットに描かれた少女のイラストは、「やさしい悪魔」のシングルジャケット写真に写る伊藤蘭を、吉田拓郎が描いたものと言われています。その他、テレビ朝日系で放送された特撮ドラマ『ジャッカー電撃隊』の第9話で、劇中歌として使用された事例もあります。
シングル初回製造分には、ファンに「木魚バージョン」と呼ばれる通常版とは異なる音源が存在します。これはパーカッション、特にウッドブロックの響きが特徴で、サビやギターソロ、エンディング部分で、ヒールの靴音を模した「コツコツ」という音が大きめに聞こえ、その音が木魚をポクポクと叩く音に似ていることから名付けられました。このバージョンは発売直後に通常版に差し替えられたため希少です。長らく公式なCD化が見送られていましたが、2008年発売のボックスセット『キャンディーズ・タイムカプセル』内の復刻アルバムに「初期プレス・ミックス・ヴァージョン」として初めて収録されました。初回製造分のジャケット裏面には、アルバム発売日が誤って「4月1日発売！」と記載されています（セカンドプレス以降は「4月21日発売！」）。なお、各種ボックスセット収録のオリジナル・カラオケはこの「木魚バージョン」が元となっています。
1. やさしい悪魔（3分36秒）
2. あなたのイエスタデイ（3分56秒）
※両楽曲共に作詞：喜多條忠、作曲：吉田拓郎、編曲：馬飼野康二
「やさしい悪魔」は吉田拓郎をはじめ、以下のアーティストなど多数にカバーされています。
吉田拓郎（1977年）
クリスタル・スリー（1979年 - 英語詞）
小泉今日子
茉奈 佳奈
Orange Caramel
徳永英明
まちだガールズクワイア
渡辺美里
カップリング曲「あなたのイエスタデイ」は栗林みえがカバーしています。
この楽曲は、それまでのキャンディーズが持っていた清純でかわいらしいアイドルというイメージを大きく変える、グループにとって重要なターニングポイントとなりました。
当時の「大人化計画」という方向性のもと、ビジュアル面でも変革が図られました。衣装デザインは歌手のアン・ルイスが手掛け、これまでにない大胆なスタイルを採用。さらに、楽曲の世界観を表現するために考案された振り付けには、悪魔の角を模したような特徴的な「デビルサイン」が取り入れられ、その斬新さが大きな話題を呼びました。
楽曲の制作は、作詞を喜多條忠、作曲を吉田拓郎が担当しました。吉田拓郎は自身の持ち味である「拓郎節」を基盤としつつも、1960年代アメリカンポップスやリズム・アンド・ブルースを彷彿とさせるメロディを展開。提供曲の中でも特に気に入っている一曲として、「文句なし」とその完成度を高く評価しています。
「やさしい悪魔」は、その音楽性の高さから、キャンディーズファンの間で最も評価の高い楽曲の一つとして挙げられることが多くあります。熱心なファンである石破茂氏も「音楽的に完成度が一番高い名曲」と評し、キャンディーズ自身も後に「私たちの代表曲」と語っています。商業的にも成功を収め、発売当時はキャンディーズにとって過去最大のヒットを記録。解散コンサート時点での累計売上は、52万枚（CBS・ソニー調べ）に達しました。
この曲は音域が広く、歌唱力の高いキャンディーズにとっても難しい楽曲として知られています。レコーディング時にはメンバーも苦戦し、「歌えません」と音を上げたというエピソードが伝えられています。この難易度については、キャンディーズファンだった吉田拓郎が、直接歌唱指導をしたいがために難しくしたという噂も流れました。
楽曲の歌唱構成は、サビとエンディングで3声和音、それ以外はソロ、ユニゾン、2声和音と多彩です。また、一般的なシングル曲では珍しく、冒頭部分に和音が含まれている点が特徴です（他に「あなたに夢中」のみ該当）。テレビ番組などで披露される際は、当初レコード通りに和音で歌われていましたが、後にユニゾンに置き換えられることが多くなりました。
レコーディングには吉田拓郎が立ち会い、キャンディーズに付きっ切りで歌唱指導を行いました。自らも試行錯誤を重ねて楽曲を作り上げていった様子がうかがえます。印象的なイントロの靴音は、吉田拓郎が様々な靴の音を試し、スタジオに同席していたプロデューサーのブーツの音を採用して制作されたものです。吉田拓郎はコーラスにも参加しています。
本楽曲で、キャンディーズは1977年末の『第28回NHK紅白歌合戦』に3年連続3回目の出場を果たしましたが、これがグループとしての最後の紅白出演となりました（後にメンバーはそれぞれ別の形で紅白に出場しています）。また、同時収録の「あなたのイエスタデイ」と共に、シングル発売からほどなく、1977年4月にリリースされたアルバム『キャンディーズ1+1⁄2〜やさしい悪魔〜』に収録されました。作曲者の吉田拓郎自身も、1977年4月25日に発表したカバーアルバム『ぷらいべえと』の中でこの曲をセルフカバーしています。同アルバムのジャケットに描かれた少女のイラストは、「やさしい悪魔」のシングルジャケット写真に写る伊藤蘭を、吉田拓郎が描いたものと言われています。その他、テレビ朝日系で放送された特撮ドラマ『ジャッカー電撃隊』の第9話で、劇中歌として使用された事例もあります。
レア音源「木魚バージョン」
シングル初回製造分には、ファンに「木魚バージョン」と呼ばれる通常版とは異なる音源が存在します。これはパーカッション、特にウッドブロックの響きが特徴で、サビやギターソロ、エンディング部分で、ヒールの靴音を模した「コツコツ」という音が大きめに聞こえ、その音が木魚をポクポクと叩く音に似ていることから名付けられました。このバージョンは発売直後に通常版に差し替えられたため希少です。長らく公式なCD化が見送られていましたが、2008年発売のボックスセット『キャンディーズ・タイムカプセル』内の復刻アルバムに「初期プレス・ミックス・ヴァージョン」として初めて収録されました。初回製造分のジャケット裏面には、アルバム発売日が誤って「4月1日発売！」と記載されています（セカンドプレス以降は「4月21日発売！」）。なお、各種ボックスセット収録のオリジナル・カラオケはこの「木魚バージョン」が元となっています。
収録曲
1. やさしい悪魔（3分36秒）
2. あなたのイエスタデイ（3分56秒）
※両楽曲共に作詞：喜多條忠、作曲：吉田拓郎、編曲：馬飼野康二
主なカバー
「やさしい悪魔」は吉田拓郎をはじめ、以下のアーティストなど多数にカバーされています。
吉田拓郎（1977年）
クリスタル・スリー（1979年 - 英語詞）
小泉今日子
茉奈 佳奈
Orange Caramel
徳永英明
まちだガールズクワイア
渡辺美里
カップリング曲「あなたのイエスタデイ」は栗林みえがカバーしています。
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