ぷらいべえととは？意味をやさしく解説

アルバム『ぷらいべえと』の概要

吉田拓郎が1977年 4月25日にリリースした『ぷらいべえと』は、彼の7枚目のスタジオ・アルバムであり、初のカバーアルバムでもあります。このアルバムは、拓郎自身の名曲と、他のアーティストに提供した楽曲を集めた内容となっており、特に当時の音楽シーンにおいて画期的な試みとされました。

背景

『ぷらいべえと』の制作が決まったのは、フォーライフが抱えていた経済的な危機のためでした。拓郎は、売上が振るわなかったアルバム『クリスマス』の影響で、急遽カバーアルバムを制作することになりました。レコーディングが始まると、限られた時間の中でアマチュアミュージシャンを集めて制作が行われ、スタジオの利用は深夜しかできなかったという厳しい条件下での作業でした。

レコーディングの様子

レコーディングは、毎晩深夜0時から朝6時までというタイトなスケジュールで行われ、拓郎は風邪をひいたまま鼻声で録音に臨むこともありました。特に「悲しくてやりきれない」では、鼻声の状態で収録し、その出来栄えに申し訳ない気持ちを抱いたと語っています。また、担当したミュージシャンのクレジットは記載されていないにもかかわらず、彼らの演奏技術がアルバムのクオリティを支えました。特に、ギターやキーボードのプレイヤーが協力し、一部曲では新たなアレンジも施されています。

アートワークとパッケージ

アルバムのジャケットは、拓郎が独自に描いたものであり、初版のレコード盤は全体に緑色でした。さらに、特典としてポスターも付いてきたことが注目されました。ジャケットデザインには、彼の独特な美意識が反映されており、音楽だけでなくビジュアル面でも楽しませてくれる作品となっています。

批評と評価

リリース当時、本アルバムはさまざまな意見にさらされました。多くの批評家からは、創作意欲の低下や商業主義的な側面が指摘され、「企画もの」とも評されましたが、同時に拓郎の独自の声とメロディメーカーとしての才能が光った作品とも言えます。拓郎自身も「やっつけ仕事の割にはよく出来た」と振り返り、多くの人々の支えもあってリリースされた作品に心を寄せています。

チャート成績

『ぷらいべえと』は、カバーアルバムとしてオリコン1位に輝くという快挙を遂げました。この成果は、拓郎のファンが新たなスタイルを求めていたことを証明するものであり、多くのリスナーがこのアルバムの出発点となる楽曲に共鳴したことを示しています。

音楽的影響

本アルバムを聴いたアーティストたちにとって、拓郎のスタイルは大きな影響を与えました。ROLLYは中学生の頃に本作を耳にし、タクローの歌唱に驚かされたと語っています。そして、自身も他のアーティストに曲を提供することとなった今、当時の感動を忘れずに持ち続けています。

収録曲一覧

『ぷらいべえと』では以下の楽曲が収録されています：

- 夜霧よ今夜もありがとう（作詞・作曲：浜口庫之助）
- 恋の歌（作詞・作曲：吉田拓郎）
- 春になれば（作詞：喜多条忠、作曲：吉田拓郎）
- ルームライト（作詞：岡本おさみ、作曲：吉田拓郎）
- いつか街で会ったなら（作詞：喜多条忠、作曲：吉田拓郎）
- 歌ってよ夕陽の歌を（作詞：岡本おさみ、作曲：吉田拓郎）
- やさしい悪魔（作詞：喜多条忠、作曲：吉田拓郎）
- くちなしの花（作詞：水木かおる、作曲：遠藤実）
- 赤い燈台（作詞：岡本おさみ、作曲：吉田拓郎）
- 悲しくてやりきれない（作詞：サトウハチロー、作曲：加藤和彦）
- よろしく哀愁（作詞：安井かずみ、作曲：筒美京平）
- メランコリー（作詞：喜多条忠、作曲：吉田拓郎）
- あゝ青春（作詞：松本隆、作曲：吉田拓郎）

このアルバムは、多くのアーティストに影響を与え、音楽シーンにおいて重要な位置を占めています。

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