第28回NHK紅白歌合戦

第28回NHK紅白歌合戦

第28回NHK紅白歌合戦は、1977年12月31日にNHKホールで行われた、通算28回目の紅白歌合戦です。生放送は21時から23時45分まで放送され、多くの視聴者を魅了しました。

事件の背景

この年の日本の芸能界では、7月に俳優の岩城滉一が覚醒剤取締法違反で逮捕され、その後も多くの芸能人が大麻関連で逮捕される騒動が起こりました。そのため、紅白歌合戦の出場者選考にも大きな影響が及びました。

司会者の選定

この年の司会者は、紅組を佐良直美、白組を山川静夫アナウンサー、総合司会を相川浩アナウンサーが務めました。曲がりなりにも彼らは前年からの続投となり、この選定には慎重な検討があったようです。浅茅陽子や森昌子も紅組司会の候補に挙がっていましたが、結局現職の司会者が選ばれました。さらに、出場を辞退する可能性があったため、ボーダーラインにいる歌手が注目されました。

出場歌手

紅組には、初出場の高田みづえ、南沙織、ハイ・ファイ・セット、いしだあゆみ、しばたはつみらが選ばれ、補欠には藤圭子、伊藤咲子、伊東ゆかり、二葉百合子、梓みちよが名を連ねました。白組では狩人、小林旭、千昌夫、細川たかし、松崎しげる、森田公一、トップギャランが選出され、補欠にはあおい輝彦、橋幸夫、ダークダックス、フォーリーブスが名を挙げました。

特に注目すべきは、石川さゆりの初出場です。彼女は40年後の第68回において、紅組歌手としては最多の通算40回目の出場を果たし、現在も最多出場数を更新し続けています。

演奏と演出

演奏は、紅組がダン池田とニューブリード、白組が小野満とスイング・ビーバーズによって行われ、豪華なパフォーマンスが展開されました。追悼コーナーではエルヴィス・プレスリーやビング・クロスビーの楽曲がカバーされ、さらにはチャールズ・チャップリンを偲ぶセクションも設けられました。古き良き時代を思い起こさせる内容でした。

特別なパフォーマンス

紅組のさくらだじゅんこは、歌詞を即興で変更して観客を楽しませ、キャンディーズのステージには誤ってファンファーレが流れるなど、ハプニングもありました。この年から、白組の応援パフォーマンス「組体操」が初めて行われ、もともと紅組の「ラインダンス」の対抗意識が見え隠れしました。また、由紀さおりは歌詞をアレンジするなど、視聴者を楽しませる工夫も施されました。

結果と評価

この年の紅白歌合戦は白組が勝利し、審査員から優勝旗を受け取った山川は、佐良に「来年は安心してお嫁に行ってください」と励ましの言葉を贈りました。なお、テレビでのモノラル音声放送はこの回が最後となり、次回以降はステレオ放送に移行しています。

後日譚

1996年と2001年にはこの年の紅白歌合戦が再放送され、古い映像ながらも多くの人々がその魅力に触れました。総じて第28回NHK紅白歌合戦は当時の日本の文化と音楽シーンを映し出し、視聴者に強い印象を残しました。

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