やすしきよしの夏休み

「やすしきよしの夏休み」（やすしきよしのなつやすみ）は、毎年8月下旬に関西テレビで制作・放送されている旅バラエティ番組です。

番組では、「平成のやすきよ」とも称されるお笑いタレントの石田靖さんと西川きよしさんが中心となり、日本の風情ある田舎町を訪ね歩きます。まるで本当の夏休みを楽しむかのように、その土地ならではの景色や文化に触れ、何よりも地域に暮らす人々との温かい触れ合いを大切にしながら旅を進めていくのが特徴です。飾らない二人のやり取りや、地元の人の人情味あふれるエピソードが番組の大きな魅力となっています。

この番組のルーツは、2001年4月28日に放送された特番『コンビ結成!?やすしきよしの東海道爆笑珍道中』に遡ります。この初期の企画には、石田靖さん、西川きよしさんのほか、ベテラン漫才師の大平サブローさん、オール阪神さん、大木こだま・ひびきさんといった多彩な顔ぶれが出演し、旅を盛り上げました。また、本シリーズが夏休み特番として定着する前に、2003年2月には冬休みスペシャルとしてオーストラリアを舞台にした回も放送されており、この時には石田さん、西川さん、サブローさんの3人が出演しました。

番組の演出は、数々の人気番組を手がけてきた繁澤公氏が担当しています。彼は『ごきげん！ブランニュ』や『ごぶごぶ』といった朝日放送や毎日放送の番組でも演出を務め、「鬼軍曹」という愛称でも知られています。軽妙で耳に残るナレーションは、お笑いコンビ・かつみ♥さゆりのさゆりさんこと尾崎小百合さんが務め、旅の雰囲気を一層引き立てています。

本番組は関西ローカルの番組としてスタートしましたが、その人気から、東海テレビ（愛知県を含む東海3県）や、岡山放送など中国・四国地方のフジテレビ系列局でも放送される機会があります。さらに、かつては全国放送として、BSフジの番組枠『めざましテレビ公認 わがまま！きまま！旅気分』の中で放送されていた時期もありましたが、これは年度によって放送の有無がありました。

技術面では、2008年からはハイビジョン方式で制作されるようになり、日本の美しい風景や旅先の様子がより鮮明に映し出され、視聴者は臨場感をもって番組を楽しむことができるようになりました。

制作体制としては、番組の制作協力は吉本興業が行い、制作著作は関西テレビ放送（カンテレ）が担っています。多くのスタッフが番組制作に関わっており、過去には様々なカメラマン、音声、カメラアシスタント、記録、MA、編集担当者が携わってきました。また、ディレクターやプロデューサーにも歴代様々な方が名を連ねています。例えば、プロデューサーには、関西テレビ側からは伊藤達弘氏、乾正志氏、澤田芳博氏、野村互氏、小川悦司氏、島本元信氏らが、吉本興業側からは松本啓邦氏、坂詰徹氏、藪内美賀氏、谷垣和歌子氏、坂口大輔氏らが担当してきました。

長年にわたり、夏の終わりの風物詩として多くの視聴者に親しまれている「やすしきよしの夏休み」は、出演者の飾らない魅力と、日本の原風景やそこに暮らす人々の温かさを描くことで、紀行番組としてもバラエティとしても高い人気を保ち続けています。

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