やまと山脈

やまと山脈について

やまと山脈（やまとさんみゃく）は、南極大陸ドロンニング・モード・ランドに位置する山脈です。この山脈は昭和基地から約300km南西にあり、南緯71度14分から45分、東経35度25分から36度5分に範囲を持っています。標高は1800メートル前後で、山脈の最も高い地点は福島岳で、その標高は2470メートルです。興味深いことに、この山脈はベルギーのファビオラ王妃に因んで、市場で「クイーン・ファビオラ山脈」とも称されています。

発見の歴史

やまと山脈の最初の目撃は1937年2月6日、ノルウェーのラルス・クリステンセン隊によるものでした。彼らは飛行中に山脈を視認しましたが、その後の詳細な調査は行われず、その存在は「1937年山脈」として暫定的に呼ばれていました。1960年10月、ベルギー南極観測隊のギド・デロームらが、昭和基地への飛行の際にこの山脈を確認しました。

日本側の探索は1960年11月1日から12月15日まで実施され、当時の南極観測隊の第4次越冬隊（隊長：鳥居鉄也）がこの山脈を初めて踏査しました。

名前の正式な命名

1961年2月、日本の南極地域観測統合推進本部はこの山脈の公式な名前を「やまと山脈」と決定しました。同時に、この機会に「福島岳」、「みずほ平原」、「白瀬氷河」といった地名も命名されました。しかし、ベルギー隊はこの山脈に先に目を向け、空中写真を撮っていたことを根拠に、1960年12月には「クイーン・ファビオラ山脈」という名称を提案しました。こうした争いは、南極における地名の命名とその優先権を巡る国際的な問題の一例です。

隕石の発掘

やまと山脈は、隕石研究においても重要な地域です。日本の南極観測隊はこの山脈で数千個の隕石を発見し、回収に成功しました。ここから発見された隕石の中には、月を起源とするものも多く含まれており、科学者にとって非常に興味深い資料となっています。

参考文献

• - 木崎甲子郎『南極航海記』築地書館、1982年。
• - 木崎甲子郎『極限の雪原を越えて――わが南極遊記』成山堂書店、2012年。

やまと山脈は、その広がりや発見された隕石の多様性から、南極探査における重要な地形の一つとして、今後も研究が続けられることでしょう。

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